MicrosoftとYahoo!が合併?

 MicrosoftYahoo!との合併に動き出しているとの噂が広がっている。もっとも現時点ではYahoo!側にその気はなさそうで、買収ではなく前向きの提携を模索しているということのようだが・・・。

MICROSOFT EYES SEARCH GIANT IN PROPOSED TAKEOVER
Rumors Fly on Microsoft and Yahoo
マイクロソフトがヤフーの買収に乗り出しか--米紙報道
米マイクロソフトとヤフーが合併交渉・米メディア報道

 歴史は繰り返すではないが、かつてコンピュータの巨人と言われたIBMがPCの分野で立ち遅れたところで、母屋を貸したはずのMicrosoftに事実上PCを制圧されたが、今度はネットの分野で立ち遅れたところで、MicrosoftGoogleに制圧されているという構図が現在だろうか。ネットのオンライン検索では先駆けのYahoo!にしても、後発のGoogleに取って代わられているといってもよい。

 日本ではソフトバンクががんばっているせいか、どういうわけかYahoo!の人気が高いが、米国ではGoogle 54%、Yahoo! 22%、Microsoft 10%のシェアだという。仮に合併したとしても、検索分野だけでもGoogleには及ばない数字だ。


 普通に考えれば、MicrosoftがYahoo!を吸収してMicrosoft Yahoo!などのようになるのは、あまりにも不自然さを感じる。Microsoftのようなランセンス商売をしてきたところと、ネットのオープンさをベースにしてきた企業では、あまりにも文化や風土が違いすぎる気がする。両者の体質が変わらないものだとすれば、それはYahoo!の死を意味することになるだろう。


 Microsoftにとって、短期間のうちにネットの世界でそれだけGoogleが巨大化し、Microsoftの収益基盤をも揺るがしかねないことに、危機感を強めているということだろう。Web2.0の時代に事実上、Microsoft Officeを無用のものとしかねないGoogle Docs & Spreadsheets の公開はそれを象徴している。Yahoo!にしても、一時期もてはやされたネットのポータルサイトの役割というのも陳腐化しており、新しいネットサービスの内容に至ってはGoogleの後塵を拝する形になってしまっている。


 ネットの世界では、もはやMicrosoftもYahoo!も古い発想の企業になっている感がする。古いもの同士が合併したところで、新しい発想に追いつけるわけはないように思える。
 ちょっと意味合いが違うかもしれないが、IBMがPCのネット分野を手中に収めたくて、Lotusを買収したことがあった。Lotusという会社や表計算の1-2-3を欲しいのではなく、グループウェアLotus Notesが欲しかったからだと言われた。しかし買収後、あっというまにインターネットブームからイントラネットの時代になり、グループウェアなどは吹き飛んでしまった。MicrosoftとYahoo!も合併したところで、日本の銀行合併みたいなもので、何か目新しいサービスが期待できるような気はしない。


 ただし、何が起こるかわからないのがネットの世界の常であり、交渉は不調などと伝えられていても、一夜明けてみたら、あっと驚くようなニュースが飛び込んでくることは十分ありうる。事実上、何でもありと言ってもいいだろう。さて、ドンデン返しはあるのだろうか。