Windowsの代わりにLinux推奨?
IPAが4月のウイルス届出状況の報告の中で、昨年サポートが打ち切られたWindows98/Meの継続利用に警告を発している。セキュリティパッチが提供されなくなるから、当然といえば当然と言えるのだが。
コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況
危険なWin 98/Meは使うな、代わりにLinuxがあるよ――IPA
サポートが打ち切られても98やMEに関する相談がまだあることからの呼びかけなのだが、セキュリティの脆弱性にはどう対処すればよいのか。答えは簡単で使わなければよい、あるいはネットに繋がなければよいということだ。しかし、初心者は決してこのような回答には納得しないだろうし、不誠実な回答だとさえ思うだろう。
ではどうすればいいの?Microsoftに聞いてください。Microsoftの回答は「一刻も早くセキュリティの万全なVistaを導入しましょう。ついでにVistaに対応している最新機能を取り入れたOfficeもこの際導入しましょう。これであなたや家族のPCライフ、ネットライフはバラ色のものとなります」と、ウハウハ顔で答えられそうだ。
皮肉はともかく、IPAとしてはまさか「XPやVistaにアップグレードしてください」とは言えないだろう。他の有償OSであるMac OS X やSolarisも同様である。そうするとオープンソースで国家戦略的にも推奨したがっていそうなLinuxを、それとなく薦めるというしかなさそうである。
それにしてもIPAに報告される脆弱性はWindowsのものばかりだ。IPAとしてはMicrosoftに知らせるだけで、何も手の出しようもない。そのMicrosoftも、修正パッチはその都度ゼロデイ攻撃に悩まされ、肝心な部分は対策を放棄しているのではないかと思われるフシもある。
結局、IPAが本当に言いたいことは、98やMeを使うなではなくて、Windowsそのものが使われなくなる方がこっちも楽になるんだよ、ということではないだろうか。