Windows XP SP3は有望か

 Windows Vistaがなかなか広がらないという情勢の中で、Windows XP Service Pack 3(SP3)への期待が高まっている。何か後ろ向きの話題のようだが、現実問題として現行で稼動中のXPのセキュリティを高めることができるものならば、業務の現場には注目を浴びても当然というわけだ。

Windows XP SP3 RCを試してみた (1/2) (ITmedia)

 XPはセキュリティが弱いから早くVistaにしなさい、などとMicrosoftに言われる筋合いはないところだろう。ましてVistaを入れようものなら、ハードウェアも入れ替えなければ、とてもではないがVistaがまともに動くスペックにならないのだから、現実を無視しすぎだろう。未だに周囲では積極的にVistaを入れようなどという声は聞こえてこない。OSはXPのままで、OfficeだけOffice2007にすればどうかという提案さえある。Offce文書が作れれば十分という発想では、それもありの選択肢だと思う。


 SP3を入れたらSP2よりも速くなったとか、当然Vistaよりはサクサクと動くようであれば、ましてやXPを捨てる理由が見当たらない。MicrosoftとしてはSP3が効果的であればあるほど、Vistaの普及は足取りの遅いものとなるだろう。しかもユーザが求めているものは、海のものとも山のものともつかない新OSではなくて、より安定して動いてくれるOSに過ぎないのである。その点ではVistaは完全に失敗しているといってよいのではないか。あとはXPを入れたマシンの年数が立ち、いよいよ老朽化して機材のリプレース時期が来ることを期待するしかないのではなかろうか。新マシンには「やむなく」Vistaを導入せざるをえなくなるだろう。そうでなければ、全く反対のLinuxMacの世界に入るしかなくなるのであるから。

 いずれにしても、Vistaには後ろ向きの話しか関係してこないようである。