Yahoo!メールも学校向けに提供

 今春にGoogleが国内の大学対象としては初めて、日本大学と提携してGmailやGoogle Appsを提供することになって話題になった。その後、Microsoftも対抗してWindows Liveを大学向けに提供しだしたようである。そこにYahoo!も、容量無制限を打ち出したYahoo!メールを中心に学校向けに提供するという。

Yahoo!メール、学校向けに無償提供 (ITmedia)

学校向けに無償で提供するという方法は、かつてMicrosoftがOfficeを学校単位で無償提供するというキャンペーンを行ったことがある。学生時代にOfficeを使っていれば、社会人になった後もずっとOfficeを使ってくれたり、あるいは導入に関係する立場になったとき、Officeを推奨してもらえるという投資の意味もあった。
 ネット時代ではソフトウェアを買ってもらうというのとは少し違うが、Google信者を育てておき、国内での将来のビジネス展開に有利になるという思惑があるのだろう。Yahoo!は特に日本国内では独自の発展を遂げているような側面もあり、ここはGoogleへの対抗上でも当然打つべき手であっただろう。


 そして新しい側面としては、Yahoo!もGoogleもWebメールのSNS化を考えていることである。「無償で提供する」ということはたいしたことではない。もともとフリーで登録しても無償なわけだから、団体様で登録したところで大きなシステムの変更がされるわけでもない。重要なことは、その組織のドメインの名前でGoogleなりYahoo!のサービスが使えることになる点である。SNS化というが、考えてみればメールのアドレスのドメイン名が同じになっただけでSNSのコミュニティが形成されたようなものだ。ブログなどでも同様である。学校にとっては学校のドメイン名のメールアドレスを持っただけで同窓会としての繋がりで、コミュニティを形成したようなものである。後はその中で、同窓会イベントのお知らせやら、近況報告やら、後輩の就職斡旋やら、いくらでも活用のしようはあることになる。ことさら難しいソフトウェアの設定したからSNSになるというものでもない


 GoogleYahoo!が世の中の公器になってくると、民営化されたが、かつての郵便局だったり電話局だったり、図書館や公民館だったりなどという役割の存在になってくるのかもしれない。それに学校事務のような役割も加わるかもしれない。