Blu-rayに決着するか次世代DVD規格

 あまり関心がない次世代DVD規格だが、アメリカの映画コンテンツ量を所持する最大手のワーナーBlu-ray Discに一本化すると公表した影響は大きいようだ。

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DVDメーカーや映画やビデオのパッケージを販売する側からすれば大きな問題だが、ことコンピュータやソフトウェア側から見れば、もはやどうでもよい話のように思える。これだけネットが普及してくれば、もはやオフラインメディアの時代ではない。容量的にはCDの時代からDVDの時代に移行するかと思われたが、ハードディスクが最も安価になり、何にでもハードディスクが組み込まれる時代になった。またフラッシュメモリも容量が大きくなり、ハードディスクの代わりにフラッシュメモリを搭載したノートPCまで出現している。もはやDVDが容量的にも大きいとは言えない


 ソフトウェアにしても雑誌の付録のようにメディアで配布するよりも、ネットからアップロード/ダウンロードする方がはるかに融通がきく。DVDを必要とするのは、せいぜいオフラインでバックアップするか、他人に贈呈する時くらいなものである。


 結局、パッケージとして販売する立場の側にとってだけ、DVDは有用なものになっているような気がする。音楽にしてもiPodのように曲単位でダウンロード販売できればよいし、今や映画やビデオやアニメなどの限られた分野だけの話になっているようである。それも著作権保護するための物理的手段になっているだけのようにも思える。著作権のあり方が時代とともに変わり、YouTubeのようにネットでの動画配信が普通になれば、もはやDVDのようなモノを所持している必要がなくなる。


 思うに、かつてフロッピーディスクは長くPCの中の記録メディアとして続いたが、その容量を増やそうとしたメディアの、ZIP、SuperDisk、MOなどは、短期間のうちにほとんど消滅した。残ったのはHDDだけと言ってもよい。そしていずれ、オフラインメディアである以上、CDやDVDも同じ運命になるような気がする。


 ユーザ側からすれば、コンテンツの保存という点では、新しいメディアそのものよりも、これまでのVHSビデオのコンテンツはどうしてくれるのだ、という問題の方が大きいだろう。人によっては部屋いっぱいにVHSビデオを持っているが、デジタルに変換してまで保存するのは膨大な時間と手間がかかるし、捨てるに捨てられない状態になっている人も少なくない。いずれにしても、次世代DVD規格争いなどは、ネット時代からもユーザからも乖離した争いになっているとしか思えない。