英で教育機関のVistaとOffice 2007の導入に待った

 Vista導入は進んでいないと何度も書いてきたのだが、日本ばかりでなく特にMicrosoftの意識が強い感のあるヨーロッパのイギリスでは、とうとう教育機関に対してVistaを入れるべきでないというお達しまで出たようである。

英政府、教育機関に対しVistaとOffice 2007の導入に注意を呼び掛け(ITmedia)

 Vistaもさることながら、やはりOffice 2007のISO標準を却下されたOffice Open XMLを一番問題としているようである。そしてOSバージョンの混在環境での混乱の回避を助言しているようである。日本では新年度の時期が近づいてきたが、今春から混乱する場面が多くなってきそうである。XPとVista、Office2003とOffice2007をデュアルに入れるということも聞く。本当にMicrosoftというところは、悪代官みたいなことをするものだ。ユーザにメリットを与えるどころか、余分な出費をさせた上、混乱ばかりを提供するものだから。そしてこちらは、その混乱をなんとか収めるために奔走させられそうである。


 特に教育機関に対して「待った。こんなものは使わせるな」という見識は正しいだろう。いくらVistaの機能はとか、Office2007の機能はとか教えたとしても、そんなものは10年後には何の役にも立たない。教育も仕事もそうだが、使うソフトウェアが主役ではないはずである。ましてや、もはやOSやデスクトップアプリが主役の時代ではない。


 そしてその代わりにオープンソースソフトウェアを推奨するという。これも正論なのだが、教える方が有償ソフトウェアに慣れてしまっているので、なかなか決断する勇気が問題だろう。日本では特に「長いものには巻かれろ」的な文化だからなおさらである。政府系の機関が呼びかけということでは、日本ではセキュリティに関連して、IPAあたりがそれとなくLinuxの導入を進めているくらいだろうか。大手メーカーなどはみなMicrosoft様様でつるんでいて、教育機関にも深く入り込んでいるからどうしようもない。