Firefoxのシェア再び伸びる

 定期的に調査報告が話題になるブラウザのシェアであるが、再びFirefoxが伸びを見せているようである。特に欧州の国によってのシェアの違いは際立っている。

Firefoxのシェア、欧州で28%に(ITmedia)
Firefoxシェア世界一はフィンランド、45.4%で群を抜く(@IT)

 地図で色分けされるところを見れば、東欧諸国でのFirefoxのシェアが特に高いフィンランドの45%は異常すぎるのではと思えるほどである。それにポーランド42%、ドイツ34%などが目を引く。フランス26%、イギリス17%などとは対照的である。


 フィンランドは学力が世界一で有名になったが、教育面での環境とオープンソフトであるFirefoxが国を挙げて推奨されているようなことでもあるのだろうか。あのLinuxのリーナス・トーバルスと、また携帯電話のNokiaを生み出した国でもある。サンタクロースとムーミンの発祥の地でもあるそうだが、これは関係ないか。

 確かに欧州は反Microsoftの傾向が強いこともあるが、特に旧東側の国にとっては帝国主義のようなMicrosoftの普及戦略は国民性に合わないことがあるのかもしれない。


 イギリスでも教育機関向けにはVistaは推奨しないことが話題になったが、教育用のインターネット環境は、ますますオープンソースだけの方がよいという流れになってくるかもしれない。Mirosoftだけが問題というわけではなく、特定メーカーのソフトウェアを選択の余地もなく使わされるのは、思想の押し付けに似たようなことではないかとも思えるからである。


 IE7もFirefox2.0に似せたタグブラウザにはしているが、IE6からの移行は進んでいない。これはVistaへの移行へ進んでいないせいだろう。現在のシェアは事実上、Firefox2.0とIE6の比較になっている。これはFirefox2.0の方が有利だろう。


 それでも日本でのシェアはまだ10%代に留まっているようである。プリインストールされたもの、与えられたものを後生大事に使うという国民性か。長いものには巻かれろとか、お上というかMicrosoftの印籠の前にはひれ伏すという従順な国民性のせいかよくわからないが、米国追随の国の姿勢にも関係して、米国の一流企業であるMicrosoftに、日本の大企業からこぞって従っているからかもしれない。


 一世を風靡したNetscapeが完全に去る時期を迎えて、その遺伝子を受け継ぐFirefoxがどれだけネットの世界で続くことになるのか、ネット全体の進む方向への1つの試金石としても興味深く見ていきたい。