自分では買わないVista

 「売れていない」、「いや徐々に浸透している」などの評価が分かれるWindows Viataを一般ユーザ200人に聞いてみたら、自分で買った人は現時点は33人の16%程度だったという。自分で買わないまでも使ったことはあるが、53人の26%強程度だったという。これをどう見るか。

Windows Vistaを自分で買いましたか(PConline)

 前にも書いたが、新年度からが問題である。個人ユーザはどうでもよい?として、組織で導入される新年度からの混乱が怖い。実はすでにVistaを使っているところから、Vistaというよりは、Office2007で作成された稚拙な文書?がときどき送られてくることが増えてきたのである。つまり.docxや.xlsxなどの形式のファイルがメール添付やWebからアップロードされてきたりする。仕方なくそれを読み出すには、こちらもそのための環境(Vista+Office2007)あるいはIE7などが必要になりそうである。だいだいファイル形式も考えずにいきなり送りつけてくるのは、PCのスキルもたかが知れた人なので、こちらからどうこう言っても始まらない。本当は「文書はISO標準形式にしてください」と言いたいくらいである(OfficeのXML形式はISO標準を却下されている)。


 そこで最低限の環境は整備する必要がある。この春からは、そうした環境が整備される組織が増えることだろう。そうなればまた、ますますWindows XPだけの環境では読めないファイルが増えることになる。少なくとも職場にはVistaが使えるマシンが最低限なければならなくなる。
 同様に自宅で仕事をする人も、1台はVistaが動くマシンがないと相手のある仕事に対処するのは難しくなるだろう。なので、一部では消極的ではあるがVistaが導入される。これが「自分では買わないVista」のカラクリだろう。


 自分でVistaを買ったという人は、最近PCを始めたか、これまでPCを持っていなかった人が多いのだろう。何せわかっていてもいなくても、町の電器屋にはVistaマシンしか売られていないのだから。このアンケートの年代が30〜40代の自分でPCを買える層のようだが、PCのスキルの年数も聞いてみればよかった。おそらく年数の多い人ほど買い控えているだろう。これまでの旧スペックのマシンではVistaを動かすのは無理だということを理解しているし、仕方なくハードも一緒に買ったとしても、XPの環境以上に何のメリットがあるかを見出せないからである。少なくともネット環境に関しては、何も加わるものはない。