Yahoo!は買収拒否の構え

 休日に入ったとはいえ、MicrosoftによるYahoo!買収提案のニュースのその後は、いろいろと報じられているようである。アメリカからの大統領候補指名選挙の動向と同じようなレベルで伝わってきているようだ。もしMicrosoftYahoo!が合体したらという前提で、多くは報じられる中で、Yahoo!はとりあえずは買収提案拒否の意志を示すようである。

Yahoo!取締役会、MSの「乗っ取り」拒否の構え(ITmedia)

買収提案そのものがYahoo!の乗っ取りであると決めつけ、買収の株価は異常に安すぎるとしている。かなり不快感を示した形だが、これが交渉を有利に進めようとするポーズなのか、実際経営者サイドもエンジニアサイドも本当にMicrosoftを毛嫌いしているからなのか、進展を見てみないとなんとも言えない。毛嫌いしているのならば、Microsoftの体質が変わったわけではないから、以前からの買収話のときから変わらないはずである。今回は「慎重に検討する」とのコメントで脈がありそうな感じであったからである。


 そもそも今回はMicrosoftが、なぜ買収提案を公表したのかという点も不思議である。あえて公表することにより、MicrosoftYahoo!は合併すべきという世論の支持を得ようとしたのかもしれない。先行きが不透明なアメリカ経済に活気を与える効果によって、世論が味方につけば、政府の独禁法の審査なども大目に見られるだろうなどの読みがあったのかもしれない。


 そしてYahoo!側はMicrosoftの好き嫌いよりも、仮に提案を拒否できたとしても、他に代わるどういう選択肢が残されているかが問題である。Googleへの広告事業の一部委託だとか、取りざたされているが、そうなるとGoogleへの敗北を認めたと世間からは見られるのがオチだろう。それを株主が認めるかどうかも難しい。一度断っても、Microsoftは手を引かないことは読み筋だろうから、やはり怒ったふりをして買収額をある程度つり上げさせ、敵対的買収に踏み切られる寸前で手を打つというのが、シナリオなのかもしれない。Microsoftとしても、Yahoo!は金に汚いと世間的には思わせておいた方が、買収そのものを正当化しやすいと目論んでいるのかもしれない。