スペースインベーダー生誕30周年

 インベーダーゲームが30周年を迎えたという。もうそんなに月日がたっていたかと思うくらいだが、およそテレビゲームの先駆けのような存在だろう。中年世代なら、少なからずハマッたことのある人は多いだろう。

「スペースインベーダー」が生誕30周年、タイトーが記念サイト開設など(INTERNET Watch)
「インベーダー」30周年で大人を再侵略 タイトーブランド一新(ITmedia)

 インベーダーゲームの前は、ブロック崩しなどの、割とおとなしめのゲームが先行していたが、迫り来るインベーダーに地球防衛軍ならぬ必死で反撃して打ち落とすエキサイトするゲームだっただけに、当時としては多くの人を熱くさせたのだろう。ゴールということはなく、いずれはこちらがやられるのはわかっていながら必死に抵抗する様が、いずれは死ぬのがわかっている人生に重なる部分があるからだろう、などという世相の批評もあったように記憶する。


 PCの基礎になったマイクロプロセッサが日本では初めて搭載されたゲームだったという。ちょうどPCが登場してきた1980年前後くらいと、世の中でインベーダーゲームがブームになった頃と重なる。おかげで喫茶店とゲームセンターが隆盛になった。喫茶店のテーブル台にしたこともよく考えたものだと思う。当時はコーヒーを飲むよりインベーダーゲームをやるために喫茶店に入る人の方が多かったくらいではないかと思う。ただ台がそれほど安いものではないこともあり、都会と地方では普及率が違っていたと思う。地方の方が普及が遅れた分、都会ではもはや流行らなくなっても、地方の喫茶店にはいまだに置かれていたなんてこともあった。


 実質大流行したのは、せいぜい数年くらいだったと思うが、その後に続くテレビゲームやゲームセンターへの影響は大きかった。現在のテレビゲーム、携帯ゲームにまで影響が及んだといってもいいだろう。日本国内ばかりでなく、世界に日本のゲームが発信されるようになったきっかけであるといってもいいだろう。インベーダーゲーム以後、さまざまなゲームがPC、ゲーム機でできるようにはなったが、歳を取ったせいもあるだろうが、100円玉を握り締めて味わったインベーダーゲームの興奮はもはや感じることはできないだろう。今の子供は物心がついた頃から、さまざまなゲームがあるので、むしろなにか特定のゲームで興奮するということが少ないかもしれない。恵まれた時代の食べ物と同じようなものかもしれない。


 今でもところどころでシンプルなインベーダーゲームを見かけるし、iGoogleのコンテンツの中にもあったりするのだが、気楽にはできてもあまりやる気は起きない。やはり100円玉を賭けて真剣勝負をやったからあの興奮はあったのだろうか。そう考えると、やはり遠い昔のことのように思えてくる。