Google App Engine がJavaをサポート

 クラウドの元祖でありながら、Amazonを追う立場になっているGoogleクラウドに新しい動きがあった。これまで開発者向けにPythonしか使えなかったApp Engineの環境に、Javaをサポートすることになるという。PHPのような他のLL(Light Weight Language)をサポートするのかと思っていたので、やや意外でもあった。

グーグル,「App Engine」でのJavaサポートを発表(CNET Japan 4.8)
「Google App Engine」でのJavaサポート 切り開かれたメインストリームへの道

 App Engineのユーザの要望が大きかったということだが、Javaはどちらかといえば、商用Webサイトで使われているというイメージである。Javaが初めて、サーバーサイドJavaとして登場して、CGIよりも合理的になりそうだと思えた2000年頃に、Javaには少し入れ込んだものである。その後、特にJavaを使わずとも、PHPのように割と気軽にWebアプリケーションが作れるようになってからは、あまりJavaを必要だと感じることもなくなっていた。


 ところがクラウドをにわか勉強しだすようになってから、オープンソースであるHadoopJavaで記述されていること、それもユーザ権限で実行できることを知り、再びJavaを思い出すようになった。クラウドの分散処理がJavaベースでなされるからである。


 GoogleBigTableはじめ、クラウドのしくみはGoogle独自のものであり、オープンソースのものようには公開されてはいない。しかしその互換ソフトであるHadoopJavaベースであるならば、Googleクラウドも無関係ではあるまい。GoogleJavaサポートを認めたのも、Hadoopとの関係があるからではないかと思えるのである。

 
 まだApp EngineでのJavaサポートは不十分で当初は先着1万人のみということだが、時間の問題になるだろう。Hadoopを利用した他のクラウドとの連携の道も拓けてくるように思われる。


 最大の問題はデータベースの形態である。どうやら従来のSQLデータベースとの互換は付きにくいようである。だとすれば、既存のデータベースはどうやってクラウドのデータベースに移行させることができるのだろうか。本当にクラウドを実用化しようとしたときに、データベースの問題が最後に残りそうである。