Borlandが買収される

 懐かしいというか、かつてのPC-9801時代にお世話になったソフトメーカーであるボーランドが事実上の消滅をする。Borland C++などのコンパイラが大きな箱の中に何枚ものFDと、分厚いマニュアルが何冊も入っていたものを、訳もわからずありがたかっていた時代である。もう20年くらい前であり、C++はともかく、今ではFDも分厚いマニュアルも過去のものという感がある。

ボーランドをマイクロフォーカスが買収へ--買収価格は1株1ドル(CNET Japan)

 コンパイラばかりでなく、表計算ソフトのQuattro ProとかデータベースソフトであるParadoxやdBASEをラインアップに揃えていた。当時はMicrosoftコンパイラを主軸に争っていた。一方でワープロ一太郎表計算ソフトのLotus1-2-3も健在だった時代である。その後のWindows時代やインターネット時代になって、ほとんど記憶からなくなってきた。


 その後もC++BuilderJBuilderなども、それなりに存在はしたが、やはりDOS時代のメーカーのイメージのままだった。Windowsの有料コンパイラとしてはVisual Studioが定着し、オープンソース時代の今となってはGNUコンパイラと、JavaではやはりJDKの普及が大きい。昔Borlandに期待したようなことは(Pascal系にはついぞ馴染まなかったが)、今ではJDKMinGWで十分であるし、その他の環境もLinux上で十分過ぎるくらい提供される。願わくばこうした時代が、自分の学生時代にあってほしかったと思えるのだが、それも高価なコンパイラ時代を知っているからこその結果論ではあるだろう。


 Javaの本家であるSunでさえ買収されたわけだから、かつてのコンパイラメーカーが買収されても特に不思議ではないかもしれない。今後は企業ユーザ向けの開発ツール専用になっていきそうだから、一般ユーザ向けのコンパイラメーカーとしての役割は終えるような気がする。