Twitterが爆発的成長

 Twitterが爆発的成長を遂げているという。特に今年に入ってからの伸びが著しいという。インターネットのアカデミー賞といわれる「Breakout of the Year」も受賞したという。過去にこれを受賞したWebサービスYouTubeMySpaceFlickrなどだという。いずれも典型的な成功したWeb2.0的サービスであり、Twitterも名実ともにこれらに仲間入りしたといえるだろう。

Twitter、「インターネットのアカデミー賞」を受賞(ITmedia)
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 オバマ大統領のWhite House 2.0の中でもTwitterが採用された。これもTwitterが公に認められていることを示す証左といえるだろう。単なる個人のつぶやきレベルではない、新しいリアルタイム・コミュニケーションの形を示しているものだといえるだろう。


 しかし動画など、これまでネット上では容易にいかなかったことが、YouTubeのように比較的容易に乗り越えて、そのコンテンツの面白さにユーザが集まったのは納得できるが、それに比べればTwitterのその真逆をいくような限られた文字数のテキストだけのシンプルさである。かつての電子メールよりもシンプルである。そのシンプルさが今の時代にあって、かえって受け入れられているところが面白い。


 さて受賞理由としては「誰でも平等に意見を発信できる場を作った」ということだという。考えてみれば、これはインターネット本来の目的の1つそのものではないか。Web万能の時代にあって、むしろそのWebの上でのシンプルさがリアルタイム・コミュニケーションを円滑にしたということなのだろう。


 ここにきてTwitterが爆発的な伸びを見せているのは、一般ユーザ側にようやく認知されてきて成長期を迎えたのかもしれない。また携帯やスマートフォンの世代交代も大きいのではないかと思える。このシンプルさと、ネットでのリアルタイム性やブロードキャスト性が最もフィットするのはスマートフォンであるからである。同じく携帯性に優れるネットブックの普及の伸びも影響してくるからしれない。


 欧米と日本国内ではまた環境と文化も異なる。少なくとも国内ではそれほど爆発的伸びは示していないと思われる。これはまだTwitterを何か共通のテーマの対象として捉えられていないからかもしれない。何かの世の中の出来事のきっかけで流行りだすことは十分に考えられる。願わくばそれが災害時であるとか、今回のようなウイルス感染の情報などではあってほしくはないが、草の根的な利用は進む可能性はあるだろう。もともとこうしたメッセージは、はてなハイクではないが、俳句や川柳、短歌のように日本人にとっては得意のものであった。「何々といえば」「何々と解く」という示されたお題に対して、洒落や諧謔のきいた返答をすることも得意である。ある意味、2ちゃんねるような短いメッセージのやりとりも、そうした文化の流れなのではないかとさえ思える。そして面と向かってはシャイで言いにくいが、短いメッセージの中に自分の意見を込めることはできるだろう。日本の中でもTwitterの広がりを見守ることにしよう。