Ubuntu 9.04をインストールしたくなる理由

 Ubuntu 9.04がGW前にリリースされてから2週間ほど過ぎた。インストールしたくなる10の理由という記事があったが、いまいちピンとこないので、自分なりに考えてみることにする。

Ubuntu 9.04をインストールしたくなる10の理由(ZDNet Japan)

 記事はどちらかといえばLinux初心者にとってのインストールしたくなる理由を挙げようとしているようなのだが、むしろ初心者にとってはどうでもよさそうなことの方が多いように思える。10個も理由を挙げられる気もしないが、いくつか考えてみる。


デスクトップ
Windowsに慣れたユーザにとって、最も近づきやすいユーザインターフェース(UI)と操作性を持っているのがUbuntuではないかという印象がある。Fedoraその他も最近ではかなりUIも改善されてきたが、リソースの少ないマシンでも比較的快適に動くように思える。そしてWindows共存させたときのデバイスやファイルシステムその他の認識率がきわめて高い。これは今のバージョンから始まったことではない。パーティション分割して入れたとき、NTFSを簡単に認識してSmaba接続していたWindowsの設定を自動的に引き継げたのには驚きさえした。


アップグレード
Linuxのバージョンが上がると、アップグレードも不可能ではなかったが、やはり初期化からクリーンインストールしなければ何かと不具合が出たりしたものだが、Ubuntuはネットワークからスムースにアップグレードできて問題なさそうである。半年おきにインストールし直しでは継続的使用の意欲をそがれる。そしてフォルダ構成やデフォルトのソフトウェアの構成をコロコロと変えないことである。少なくともバージョンが上がるたびに、見かけ上抵抗があるほどガラリと変わったりすることはなさそうである。


アプリケーション
Windows版もあるとはいえ、アプリケーションであるOpenOffice.orgGIMPTeXEmacsJavaEclipseその他は、やっぱりLinuxで使ってこそとも思える。どのLinuxで使っても同じとはいえ、Ubuntuのデスクトップの快適さと相まって、これらのアプリも生きてくるように思える。


サーバー版
実は一番の注目はむしろサーバー版になってくると思える。デスクトップの方にばかり話題にされているが、開発では仮想化されたUbuntu Serverが最も可能性があるのではないかと思える。FedoraはあくまでRed Hat Enterprizeのための実験台なので、機能面で安定することはないだろう。Ubuntuはフリーのままで安定する可能性は高い。そこに仮想化サーバーとしての可搬性が高まれば、より活用範囲は広がるだろう。そしてそれは9.10以降のクラウドへの本格的対応として繋がることになるだろう。