ネット店舗のカード利用は実店舗の倍以上

 ネット店舗でのクレジットカードでの決済は60.0%、実店舗では27.4%だという。ネットの決済の方が倍以上だというのだが、これは何を言いたいのだろうか。

ネット店舗では「いつもカード決済」が6割、実店舗の倍以上(INTERNET Watch)
ネットショッピング利用調査〜安・楽・24時間で広がる「巣ごもり消費」(3.30)

 ネットショッピングでは、ほとんどクレジットカードがなければ利用できない。どんなサイトでも銀行振り込みや宅急便の着払いも可能になっているわけではない。むしろ、それらはどうしてもクレジットカードが使えない人が買う可能性のある品物のケースだろう。クレジットカードがなければ事実上ネットで買い物はできないと言った方がよいだろう。自分も早くからカードを持っていたわけではないが、審査があるというのが煩わしく(金を出すのはこちらなのに馬鹿にした話である)、ネットが普及しだしてから必要が生じたのが持つようになったきっかけだった。それ以前は、なんとなく店舗のレジで支払いを「華麗に」カードで行っている人はお金持ちに見えたものである。


 Webからクレジットカード番号入力が可能になったとはいえ、初期の頃はセキュリティ意識もなくSSLも使わないhttpのままのサイトが多くあったものである。危険がわかる人は「ネットからなんか絶対にクレジットカード番号を入力なんかしない」と言い切っていたものである。では、店舗でカードを使う場合はどうなのか。銀行キャッシュカードを含めてサイフに一杯カードの類をを持ち合わせて、そのサイフを盗まれて、慌てて各所にカード無効に届出をしている人もいたりする。ネットショッピングや自動引き落としで利用することが主であれば、カードなどは本来持ち歩かない方が安全ではないかと思うようになった。ネットで必要なのはカードそのものではなく、カード番号を含めた個人情報だからである。


 そうしたら最近クレジットカード以外で持ち歩きが必須で、リアルの買い物もできるようなカードが出てきた。Suicaである。自分は割とSuica登場時の頃から利用していて、勝手に新カードに更新されて2枚目である。ところがこれを残高のあるまましょっちゅうなくする人もいる。クレジットカードとは違うという意識から注意が薄れるからであろうし、改札の度に出さなければならないから紛失の割合が増すのだろう。Suicaでも買い物ができる店舗が増えたとはいえ、日常は往復の交通費くらいしかチャージしていない。紛失したときの被害を最小限にする意味もある。だからあまり高いものを買いたいとは思わないが、実店舗で使うなら危ないクレジットカードよりはSuicaで十分ではないかとも思えてくる。


 ネットでクレジットカードを利用するには、やはり危険があるにも拘わらず世間の人はあまり意識をせずにカードを利用している、ということを調査では言いたいのだろうか。ネットでSSL(https)を通してだけでも、カード番号を盗まれる危険性はゼロではないにしろ、一番危険なのはカードそのものがリアルの盗難に遭い、知らないうちにネットで使われていたというケースではないだろうか。そう考えると、ネットでカードを使うこと自体が危険なのでなく、カードを持ち歩いて盗難に合うことの方が危険なのかもしれない。