OracleのSun買収の舞台裏

 もう既に過去のことになったように思える、OracleによるSunの買収劇である。直前までIBMが買収するかと思われていたところに、唐突にOracleが現れ、Sunを持っていったような印象だったが、実のところ舞台裏ではHPを含めた3社との交渉が並行して行われていたとのことである。表面的にはわずかな買収額の差で、IBMが買収できなかった原因が窺い知れるようである。

OracleのSun買収、舞台裏で何が起きていたのか(ITmedia)

 結局、もしIBMが買収に合意していたとしても独禁法への抵触がどうなるかが不透明だったことが決定的だったようだ。買収額の高低よりも、独禁法の調査が入ったときのリスクをIBMがどこまで負う意志があったかということだろう。Sunにとってはそこの確信が持てなかったから、仮に合意しても実際の買収に至らずに、そのためにさらなる株価を低落を招き、株主に損害を与えることになることを恐れたのだろう。その点、Oracleの方が異業種のパートナーと見ることができて、独禁法の心配はなかったわけである。


 それにしても、やはり必ず買収を成功させなければならないほどSunは業績的に追い詰められていたということである。PCサーバーが市場に定着してきて以来、ワークステーション市場はもはや如何ともしがたい状況だったようである。そのため既に2000年から2001年頃から赤字体質になっていたようで、その後Microsoftから和解金を得たり、IBMと提携するなど、かつてでは考えられなかった方針を打ち出したのも背に腹は変えられなかったからだろう。買収されることは必然の成り行きだったようである。


 それにしてもSunはワークステーション時代には唯一の勝ち組だったはずだが、これも栄枯盛衰、コンピュータの時代の流れの速さを感じざるをえない。