ChromeのMacとLinux向け開発者プレビュー版を公開

 Google ChromeMac版、Linux版がようやく出てきそうである。とはいっても今回のは開発者プレビュー版とのことで、一般ユーザには、まだインストールを薦めていないものである。

グーグル、「Google Chrome」のMacとLinux向け開発者プレビュー版をリリース(CNET Japan)
グーグル、MacおよびLinux版「Google Chrome」を開発中(2008.9.5)

 Google Chromeが出たばかりの頃(昨年9月)は、このままの勢いでブラウザの頂点にも行き着くのではとも思われたが、さすがにそこまでは至ってはなっていない。10ヶ月ほど経過してシェアは1〜2%であり、まだWindows版ばかりだった。Windowsに圧倒的なユーザ数があるからとはいえ、Googleとしてはやや意外だった気がする。Macはともかく、Linuxは内部的にもUbuntuが好まれて使われているなどという話もあったからである。Ubuntuそのものが有名になったのも「あのGoogleも使っているUbuntu」といわれたことも一因だったと思う。


 それがChromeのチームの中にはLinuxの専門家はこれまでいなかったせいか、Linux版などの開発は後回しにされたようだ。この調子だと一般ユーザがLinux版が使えるようになるのは、ChromeWindows版公開後の1年も後ということになる。「LinuxMacOS Xは共通した部分が多い」などと言っているが、MacOS XがもともとBSD UNIXであることを考えれば当然ともいえる。しかもLinuxとはいっても、得意のUbuntuとそのルーツのDebianにしか対応していないという。


 これまでのオープンソースソフトの作りであると、先にLinux版などがあり、それが大衆向けに?Windows版も作られて公開されるということが普通だった。ところがChromeの場合、市場に合わせてか、先にWindows版がゼロから作られた。それをLinuxMac OSに移植するような形になった。どうも初めからWindowsに合わせた作りになっているようだから、移植にてこずっているのではないかと思える。ChromeWindowsアプリでMicrosoft寄り?とまで思えてしまう。実行スピードはともかく、機能的にもやはりまだまだ急ごしらえだったのだろうか。むしろマシンスペックがやや落ちるLinuxマシンでも、快適にブラウジングできるような存在であってほしいと願っている。Linuxのプラットフォームかどうかという、ネットブックにとっても重要な問題なのである。