日本サッカーが4大会連続のW杯出場決定

 サッカー日本代表が4大会連続のW杯出場を決めた。なんだかんだと言われ続けながらも、とても長い期間の予選を勝ち抜き、再び世界の舞台に立てることは喜ばしい。W杯予選が続いている間、世の中の環境は不況に陥って、スポーツの世界にも影を落としてきたりと情勢が変わっているが、メジャースポーツの飛躍は、国にそれなりの活力やら経済効果をもたらすこともあるだろう。

日本耐えてつかんだ最速切符/W杯予選(nikkansports.com)
岡崎決めた!世界最速!4大会連続!さぁ南ア…W杯アジア最終予選(スポーツ報知)
岡田監督「頭にきた」終了間際の退席(Sponichi Annex)

 さて肝心の試合の方は直接見ていないので、なんとも言えないのだが、アウェーでの判定やらいろいろ厳しい中での1−0の辛勝だったようである。W杯出場のプレッシャーがかかる試合だったことを考えれば、よく守りきった結果だと思う。岡田監督としては、もう12年前の日本の初のW杯出場を決めて以来の2度目の出場決定となった。前回はW杯出場が危機に陥ったとき、加茂監督の解任を受けての急遽の監督就任の結果だったし、岡田監督は土壇場に強い指揮官であるのかもしれない。


 今回のW杯出場への道のりは、オシム前監督からスタートしたものだった。オシム前監督にはいろいろ評価はあろうが、功績としては「日本人のサッカーらしさ」を求めるために、あえて代表選手に無名選手の発掘に取り組んだことではないだろうか。それはジーコ前監督が欧州移籍組の有名選手を優先させたところと違ったチーム作りでもあった。反面、スター選手が不在で人気面で陰りが生じるというマイナスもあった。不運にも脳梗塞で倒れ、代表監督復帰はならなかったが、地味ながらこれが代表の競争を生み、実力の底上げに繋がっていったのではないかと推測される。岡田監督に代わってからも、こうした代表選手の底上げは続けられ、中村俊輔などの一部のスター選手以外は、誰が代表に呼ばれても実力的にはそれほど遜色はなくなっていったのではないか。


 W杯出場を悲願としていたJリーグの初期の頃は、カズやラモス、武田などむしろスター選手がそろっていたように見える。しかし控えの選手との実力差が大きく、それがチームとしての層の薄さだったのではなかっただろうか。ドーハの悲劇で夢破れたのも、当時のチームとしての実力は、一部のスター選手の活躍だけに頼らなければならなかっただけに、アップアップの状態で出場できなかったともいえる。しかし現在では誰かが怪我をしたり出場停止となっても、人気面は別として、代わる選手のレベルが落ちることはないように思える。結果的にそのチーム力の底上げが、比較的に順当に今回のW杯出場決定に導いたことになったのだろう。


 それにしてもサッカーの代表選手の顔ぶれの入れ替えは激しい。中村俊輔などの一部の選手以外は、もう前回のW杯代表メンバーのほとんどが入れ替わっている。中田のように引退していなくても、W杯が終われば、もう代表には呼ばれなくなる選手の方が多い。他のスポーツの五輪代表選手などよりも、代表選手としての寿命は短いといえるだろう。また一時期、W杯への星のように期待された平山など今では全く名前を聞かなくなってしまった選手も多い。その中でGKの樽崎の4大会連続出場(予定)はきわめて稀である。W杯でも川口の控えだったりでフル出場ではないが、それでも代表の座に居続けられるのも、GKという特殊なポジションのせいなのだろうか。それともGKは、なかなか世界に通用するレベルの選手が育ちにくいからなのだろうか。


 さて今後は予選の消化試合もあるが、本大会に向けて代表選手への生き残りの戦いがある。岡田監督といえば、どうしても流行語のようになってしまった「はずれるのは○○」のイメージが残るだけに、今回の代表選手選考でも「はずれるのは○○」のサプライズはあるのだろうか。