USBメモリ版Windows 7は出るか
Windows 7の価格が先日発表されているが、やはりエディションの違いと価格には機能的な差よりも販売戦略的な意味合いが強く、旧態依然としてものを感じさせるものであった。先行予約で7777円のキャンペーンの通知が自分のところにも届いたが、数日後にアクセスしてみたら期限日を待たずに限定数を超えてすでに終了していて、何となく不愉快な思いをした。
またネットブック向けのEditionはどうなるのか、ネットブックでは特にWindowsやOfficeの価格が占める比率が馬鹿にならないだけに、市場的には影響を与えることになりかねない。このことにも関連するかもしれないが、Windows 7のUSBメモリ版を出すべきだという話がある。
「USBメモリ版Windows 7」を提供すべき2つの理由(ITmedia) 「Windows 7」の価格設定とPCメーカーの負担--Windows担当幹部に聞く(CNET Japan)
ネットブック向けにはStarter editionが取りざたされている。機能的に他のeditonと何が違うのかはっきりはしないが、軽量化されたものであることは確かであろう。それならばある容量以上のUSBメモリからのStarter editionの起動でも十分に利用できるはずだということになる。現実的にはネットブックはDVDドライブを内蔵していないとか、ディスクの容量が少ないという理由も考えられる。
Linuxのメジャーディストリビューションでは、すでにUSBメモリブートは可能なものが多い。Windowsでそれができないというより、やらないというのはライセンスの保護の意味合いが強いからなのだろう。Windows1ライセンスに対しては、1台か2台のPCのライセンスに固定したいからだろう。USBメモリを挿しただけで、複数台の(同機種の)PCがブートできてしまったりするのは都合がよいものではないのだろう。
それならばセキュリティ面でも現実的なのは、インストールしたUSBメモリから起動できるのは、インストール時のPCだけの鍵と鍵穴の関係にすることだろう。USBメモリを紛失しても、他のPCでブートできなければ被害は小さい。ただしバックアップ用のUSBメモリが必要になるかもしれない。
それにしても、USBメモリから起動できれば、Linuxと複数のOSの選択肢が広がる。ハードディスクやSSDに初めにインストールされているOSは何でもよく、USBメモリを代えればマルチブートのようなことが可能になる。すでにこうしたことは目新しいことではない。けれでも、Microsoftによればネットブックの96%に導入されているというWindowsだけが、有料であるがゆえにそれを拒んでいるようでもある。Windowsこそ仮想化されたゲストOSか、USBメモリの外部からブートされるOSで十分ではないかというのが持論ではある。特にネットブックはWindowsの重さにスペックが左右されるべきではないと思うからである。