ドコモが Androidケータイ「HT-03A」を発売

 ついに出た国内初のGoogleフォンことAndroidケータイ、と言いたいところだが、どれだけ話題になっているのだろうか。少なくともiPhoneのときよりは話題になっていない。なぜなら記事を探すのに、少なからず手間がかかったからである。

Androidケータイ「HT-03A」発売─購入サポートでバリュー一括3万円弱(ITmedia +D Mobile)
ドコモ、“黒船”Androidに開国 ビジネスモデル模索(ITmedia)
googleケータイは歴史の変換点となるか?--「HT-03A」発売に向けブロガー...(CNET Japan)
docomo PRO series HT-03A(NTT docomo)

 Googleはよいのだが、docomoとの組み合わせと、docomoの戦略として、同じスマートフォンならばBlackBerryとの位置づけもどうなるのかSoftbankとのiPhone争奪戦に敗れて、これで完全にiPhone対抗を目指すことになるのか、大きな方向性がはっきりしないのである。ユーザにはその場限りで新しいケータイを買ってもらえばそれでいいのかもしれないが、長年のユーザにはもう少し大きな方向を示してほしいものである。


 先立つものでいえば、実質的には機種購入は3万円で、今持っている905iを2年前にバリューコースとかで、5万円近くで買ったことを考えれば安くなったものではある。しかし考えようではネットブックに近い値段でもある。そしてGmailをガンガン、Webブラウンジングも快適なのはよいが、毎月のパケット代はどうなるのかがスマートフォンの場合は一番不安である。上限固定だとしても毎月1万円を超えるようになるのであれば、ケータイとしてはかなりの出費である。せっかくのバリューコースどころではない。BlackBerryもそうだろうが、いくら機種ばかり立派でも、ランニングコストである月々のパケット代がネックになるのである。ここらへんが、日本の携帯キャリアは、ケータイのサービスよりも、ケータイの機器を売ることだけを考えているのではないかと思えてしまう。高くても安くても機器さえ売ってしまえば、後はNHK受信料のように自動的に高い電話料、パケット料金でも払ってくれると思っているのではないか。後の料金がかからないという点では、似たような金額であればネットブックの方がほしいと思ってしまうのは当然である。


 それはともかく、スマートフォンではどう変わるのか。ややショッキングに言えば、iモードがなくなってしまう。ケータイのサービスとしてGoogle関連サービスはじめアプリも、自由化されて豊富になる。iモードはインターネットに接続とはいうものの、日本のケータイがいかに孤立あるいは鎖国してきたことかを象徴する存在でもある。iモードは日本だけのものであり、世界標準ではなかったのである。これがガラパゴスケータイ」の種の起源の1つにもなっていたともいえる。その意味ではGoogleフォン導入は、docomoの開国を意味することにもなる。そうなると文明開化を迎えた既存の機種を持つユーザはどうすればよいのか。


 スマートフォンは大きな流れであることは確かだが、これまで当時としては画期的だったiモードで独自路線を歩んできたdocomoが方針転換して、全面的に自由化を進めるということになるのか。それとも一部の機種だけを小出しに出してみて様子をうかがうだけの話となるのか、また悩まれそうではある(悩む必要もないが)。何しろ、あっさりとPHSユーザを切り捨てた(自分も切られた)docomoだけに、油断がならないのである。さて、Googleフォンはガラパゴスに向けてのスタートになるのであろうか。