Googleの第2四半期は売上も回復

 景気後退の波は最悪の時期を脱したのか。Googleの広告の売り上げが回復して19%の増益にもなったという。ネット分野で立て直しをはかるMicrosoftは、同時期に検索エンジン「Bing」を公開し、Windows 7の発売日の発表、Office 2010およびそのWeb版を発表するなど話題作りに躍起に見える。またGoogleネットブックが主な対象とはいえ、ついにWebブラウザベースの「Chrome OS」の開発を発表、そして懸案のYouTubeの黒字化へと期待をかけている。

グーグル、第2四半期決算を発表--広告売り上げが好調(CNET Japan)
グーグルの2Q決算、広告ビジネスの安定で売上高増(COMPUTERWORLD)
Googleの第2四半期決算、19%増益で売上も回復(INTERNET Watch)
「YouTubeは遠くない将来に黒字化期待」Googleがコメント 
Microsoft、「Bing」公開でサーチエンジンシェアを拡大
6月の米検索エンジン市場,MSがYahoo!のシェアを切り崩す(ITpro) 

 Google自身というより、世界全体の景気後退の影響で、さすがのGoogleも主たる広告事業で広告そのものが減少し、不景気の対象の例外ではなかったが、ようやくIT系に近い分野から少し落ち着きが出てきたというところか。Googleだけでなく、IT系全体の景気動向の傾向を示しているかもしれない。


 Google検索の「広告クリック」は、前年同期比では15%増だったが好調だった前期に比べると2%減だそうで、やや頭打ち傾向にあるが、検索シェアそのものは横ばいだそうである。


 MicrosoftのBingの評判が上々のようだが、まだ期間的に売り上げへの影響は測ることができないだろう。ただし検索シェアで見ると、Microsoftが8.0%から8.4%に増加したという。Googleが65%で横ばい、2位のYahoo!の検索シェアは20.1%から19.6%になったそうだろうから、これまでのところBingは最大のターゲットとしたGoogleではなく、2位のYahoo!の検索シェアを奪った形になった。一時期、Yahoo!の買収を企てただけに皮肉なところだ。今後さらに、Googleの検索シェアを奪うところまで伸びるだろうか。


 さてGoogle当面の課題であるYouTubeの収益だが、動画の最初に付けた広告によって売り上げは増加傾向にあるという。「近い将来」に黒字化が期待できるとのことだが、それがいつ頃になるのか、まだその実態は明らかではないようだ。もっともYouTubeを買収したのがGoogleMicrosoftでもない限り、ここまでYouTubeを赤字のままで引っ張ることはできなかったかもしれない。


 Googleは検索広告以外でのビジネスモデルの確立を、Microsoftはデスクトップソフトウェアのライセンス販売からWebサービスでの収益へと、ビジネスモデルの転換を図らなければならならい。検索分野はじめ、ターゲットになるいくつかのWebサービスの分野で真正面からぶつかり合うこともしばしばありそうである。そこにまた、他社のWebサービスも複雑に絡み合うことになるだろう。