AVG Anti-Virus 9.0の日本語版公開

 プリインストールされたセキュリティ対策ソフトの期限が切れたりして、ベンダーからうるさくアップグレードを督促するような通知が来るようになったとき、それに代わり、お世話になったのがAVGのセキュリティ対策ソフトで、フリー版といえどもなかなかまめにウイルス定義ファイルを更新したりで重宝していたものだった。そのAVGが、いつのまにか日本語版に対応している。

無料セキュリティソフト「AVG Anti-Virus 9.0」日本語版公開(INTERNET Watch)
AVG Internet Security(AVG 日本公式サイト)

 日本語化しなくても機能としては変わらないと思うが、認知度という点では日本語メニューと解説がある方がよいということだろう。以前から、フリーだからといってもあまりセキュリティ意識のない人には、薦める気はしないものだった。むしろそうした人向けにこそ、プリインストールの有償ソフトがあるのだという印象だからである。セキュリティは、やはりただではない。フリー版であるからこそ、自らインストールして、英語のメニューや解説に目を通し、そのソフトの評価をするくらいの自己責任の対価は払うべきだと思うからである。


 それでも日本語化したことで、今後はMicrosoftのSecurity Essentialsと比べてどうかという話になるかもしれない。自分としては共存させたいところだが、実際のところ共存はどうなのだろうか。フィッシング対策機能などAVGの方が多機能ではある。


 少なくとも国内のWindowsがプリインストールされた販売PCで、有償のセキュリティ対策ソフトが同時にプリインストールされていないものはほとんどないから、結局フリーのセキュリティ対策ソフトは、新規自作のPCなどもあるが、多くは古くなったPCで有償ソフトの期限も切れたものを最新のセキュリティ対策状態を維持するための役割が大きいように思える。なぜなら多くの場合、古くなったPCには、もはやソフトウェアの新規の予算がつきにくいこともある。組織のPCがリプレースされたが古いPCも廃棄されずに残っているケースもある。すべてではないが使い続けられる場合もある。Vista機に対して、まだ使い続けられるWindowsXP機のように、古くなったが現役のPCのセキュリティを維持することは案外重要な事項でもある。そう考えれば、AVGのような信頼できるフリーのセキュリティ対策ソフトは、重要な位置づけになっているともいえるだろう。