Microsoft Security Essentials は好調

 Microsoft Security Essentials が好調である。Microsoftなのに無償だからという面はあるが、公開1週間で150万本ダウンロードは多いといえるだろう。もっともギネス記録のFirefox 3は24時間で830万本のダウンロードではあるが。

「Microsoft Seurity Essentials」公開1週間で150万本ダウンロード(ITmedia)

 やはりセキュリティ対策、とりわけマルウェア対策ソフトは必須のものである。国によって事情は違うだろうが、ソフトウェアを買う予算もないところもある。現在ではそのようなPCは自分が直接の被害に遭うというよりは、ボットなど世界に向けての攻撃のマシンになりうるのだから、必要最低限の対策はしてもらいたいものである。考えてみれば、フィッシング詐欺などは持てる者だからこそ騙されるのであって、もともと持たぬ者は、いくら魅力的な勧誘だとしても騙されそうもない。マルウェアに関してはユーザの関知しないうちに感染するから、やはり対策ソフトに頼らざるをえない。


 国別で見れば、Security Essentials導入の効果が目に見えてあったのは、米国、ブラジル、中国だけで50%を超える。人口が多いこともあるが、お国事情が知れてくるようだ。実際、攻撃の発信地となっている割合が大きい国である。いかにボットに乗っ取られたPCが多いか、ということだろう。うがってみれば、Microsoft Security Essentialsの目的は、こうした国に対するセキュリティ対策だったのかもしれない。


 さて、日本は2%である。これが多いか少ないかは議論のあるところだろうが、G7かG8の中では最下位近くだろう。日本では有償のセキュリティ対策ソフトの導入が進んでいると思われるから、Security Essentials以前から感染率はもともと他の国よりは低いと思われる。危ないのは、有償対策ソフトが期限切れになっている放置PCである。それにSecurity Essentialsを入れてみたらマルウェアを検知したというケースもあったかもしれない。


 OS別で見れば、Windows XPが一番多いという。これはいまだ使われ続けているPCが多いし、前述のように有償対策ソフトが期限切れを起こしているケースが少なくないからかもしれない。Vistaが特にセキュリティ対策に優れているからだとは、あまり思えない。ただやたら警告が多くなったばかりに思える。


 いずれにしてもWindows 7ではSecurity Essentialsは、事実上デフォルトになると思える。なぜなら「期限切れ」を起こす心配がないからである。期限切れを起こすのはユーザの責任(アップデートにお金を払わないから)と言うのは、セキュリティにとっては大きな穴であるような気がするからである。