Hadoopユーザ会が発足

 クラウドオープンソースソフトウェアの中核になるHadoopの企業導入が進んできそうである。国内でHadoopユーザ会が発足し、サポートする企業も増えてきているようである。また草の根的なクラウドの立ち上げのきっかけにもなりそうである。

分散処理ソフト「Hadoop」のユーザー会が日本で発足、企業の導入が広がる(ITpro)
PFIとぷらっとホーム、分散処理ソフト「Hadoop」の導入支援で提携
「Hadoop Conference Japan 2009」開催される Hadoopユーザー会も始動(CodeZine) 
Hadoopユーザー会

 Google分散ファイルシステム互換のオープンソースであるHadoopは、すでにAmazon EC2などの中で普通に使われているものである。開発したのはYahoo!にいたプログラマーで、現在はHadoopのコンサティング企業に参加しているという。Googleのシステムは、Googleには珍しくオープンソースではないので、Google以外のクラウドは、AmazonをはじめとしてHadoopによるシステムを採用している。そして、むしろこちらの方がクラウドの主流になっていくような情勢である。


 クラウドベンダーが提供するクラウドはともかく、これから企業に普及していくであろうプライベートクラウドを構築しようとするとき、自ずからHadoopを採用することになる。複数のPCサーバーを連携させることになるので、まだノウハウが浸透しているとはいえない。そこでサポートサービスの需要が高まりそうである。Hadoopだけでなく、OSの仮想化も同時に必要になってくるからである。現在のLinux中心に、クラウド構築のためのOSの選択から行わなければならない。また基本的にはJavaのシステムのコマンドラインからの操作だったが、Webからの操作ツールやサービスも登場している。ボタンクリック1発で、仮想サーバーの生成、消滅をコントロールしたりもできる。複数サーバーへのジョブの分散処理の割り当てはサーバー同士が勝手にやってくれるので、どのサーバーで何の処理をしているとか意識する必要はないというか、意味がないことになっている。Hadoopを導入してクラウドに参加させれば、遊休だったPCサーバーも有効利用できるし、また単体のPCサーバーだけだったらリソース面で限界があったものが、連携してジョブを分散させて実行してくれるのでパフォーマンスが上がることになる。


 自分もテスト的にHadoopを数台のPCサーバーで実行したことがあるのだが、分散処理される様子がわかるので、なかなか刺激的である。大げさなサーバー機でなくともネットに繋がっているだけで、いつのまにかクラウドコンピューティングを実行する端くれのマシンに変貌していた、という状況を内部サーバーおよび公開サーバーともに実現していきたいものである。