浅田真央、四大陸選手権で逆転優勝

 五輪直前ながら、やきもきさせている浅田真央が韓国での四大陸選手権で、ショートプログラム(SP)3位からフリーで逆転優勝を飾った。これでなんとか五輪への出陣準備が整ったとみてよいのだろうか。

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 浅田真央にとって、もはや打ち克つべき相手は自身にかかるプレッシャーと周囲の喧騒だけであるようにも思える。暮れの代表を決定する全日本選手権も追い詰められた感はあったが、それでもホームでの戦いという面はあった。その点、四大陸選手権はめぼしい五輪代表選手の参加はなかったとはいえ、韓国というアウェーでの大会であったので、それに勝利したことは今シーズンにまだ国際大会での優勝がなかったことから、五輪直前の助走の意味では大きかったと信じたい。


 今シーズン、特にトリプルアクセルで悩んでいるように見えるのは、いろいろ説もあるようである。コーチとの確執で、芸術性を追求するコーチとトリプルアクセルにこだわる浅田真央の意見が合わず、混乱してしまっているというものである。今回のSPでもトリプルアクセルが回転不足と判断されたりと、混乱に拍車がかかっているように思える。審判員が浅田真央だから厳しい見方をするのか、トリプルアクセルのできる女子選手はほとんどいないので厳しく評価にならざるをえないのかはよくわからない。この五輪着前に及んでいろいろな関係者に助言を求めなければならない状況というのは、なんとも不可解ではある。五輪の中でも最も期待がかかる選手だけになおさらである。


 以前から疑問に思っているのは、トリプルアクセルならコーチとして一番適任なのは、伊藤みどりだけだろうということである。浅田真央がジュニアの頃から最も応援していた人でもある。最初の師事していたコーチも同じであるし、伊藤みどりがかつて着ていたコスチュームで演技をしたこともあった。よくは知らないが、先輩やら協会とのしがらみなどで、なかなか表立って浅田真央にアドバイスしたり相談したりできないのだろうか。高いお金を出してビジネスライクに外国人コーチを付けるのもいいが、トリプルアクセルといえば、日本人なら誰でも伊藤みどりをフィギュア女子の先駆者としてみているからである。


 もう2週間後に迫った五輪だが、浅田真央トリプルアクセルさえ成功させれば得点率からして、相手のことはあまり関係がなく、トップに立つことができるだろう。苦手なのか、いつもどういうわけかSPで立ち遅れることが多いが、五輪のSPでは本来の演技ができれば自ずと最高の結果につながるだろう。やはり乗り越えなければならないのは、五輪特有の有形無形のプレッシャーだけだろうか。