GoogleがIE6のサポート終了へ

 もはやIE6では、まともにWebサービスを受けることはできなくなる?と思わせるような、GoogleのIE6サポート終了の表明である。個人的に困ることはほとんどないが、世の中ではWindows XP+IE6のPCが現役でいるところは、まだある。GoogleWebサービスを保証しなくなることで、IEの更新にとどまらず、Windows 7へのアップグレードを促進する結果になるとすれば、なんとなく皮肉な話ではある。

グーグル、「IE 6」のサポートを終了へ(CNET Japan)
What Browser?(Made by Google)
​Modern browsers for modern applications(Official Google Enterprise Blog)

 Googleがサポートしなくなる直接的なWebサービスは、GoogleドキュメントとGoogleサイトであるという。GoogleドキュメントはOffice的な機能はともかく、最近ストレージとしての機能も持つことになったから、IE6ではそれは使えないことになりそうだ。もっともIE6では特定のサービスというよりは、JavaScriptへの対応が遅れている点がもっとも問題とされてきた。


 それに加えて、最近のGoogleに対するサイバーテロがIE6の脆弱性を衝いたものだということから、ついにIE6を見限ったのかもしれない。古いブラウザということもあるが、ここ何年かでIE6の良い話は聞いた試しがなかった。ただXPの環境では、メモリが少ないマシンでIE7をインストールすると、Windowsそのものが正常に起動しなくなったりして、なかなかIE6から離れられない場合もあった。他所に行ったときに、そうしたXPの機種を使わざるをえない場合が問題であった。


 そこで現在では、ポータブル版のFirefoxUSBメモリをコピーして他所に持っていき、IE6しかインストールされていないPCを使う場合には、USBメモリからFirefoxを起動することにしている。データは持ち歩かずに、ポータブルのアプリケーションばかりであれば、仮にUSBメモリを紛失したとしても被害は最小限に抑えられる。


 とはいえ、ActiveXをはじめ、いろいろと問題のあるIE6を市場から退場させるに越したことはない。MicrosoftはもちろんWindows 7への移行促進とともにIEのバージョンアップを進めたいところだろうが、Googleのサポート打ち切りが、意外とこれを後押しする結果にもなるかもしれない。単なるIE vs Firefox/Chromeのシェアの構図と捉えるならば皮肉なことだが、サイバーテロなどの影響などでGoogleの中国撤退が言われている現状では、セキュリティ的にはIE6を捨てるのは、一般ユーザにとっても差し迫っていることでもあるかもしれない。