五輪選手が会場からTwitter

 五輪は開幕したものの、日本にはあまりメダルを期待できるとは思えない。なんとなく経済不況と同じで、長期低迷期に入っているような分野が多い気がするからである。それとは反対にメディアを中心として、やたらメダルへの期待を無理に盛りあげようとしているようにも見える。そんな中、選手も心に余裕を持たせようとする表れか、あるいはお国柄の違いなのか、選手がTwitterで会場内外からつぶやきもしているという。

「開会式なう」バンクーバー五輪、選手が会場からTwitter(ITmedia)

 とはいっても地元のカナダと米国の選手が主で、開会式の様子などを知らせているという。日本人選手や関係者はまだそこまでの意識はないかもしれない。ストイックに自分の出番まで精神を集中させることばかりで、雑然が入ると考えがちかもしれない。それでも内輪でのメールのやりとりはしているはずである。マスコミのインタビューへの受け答えだけでなく、少し客観的になって周囲の状況や競技の様子などを不特定多数の人に伝えるのも気分的にはよい場合もあるかもしれない。何かあらかじめストーリーだてられたようなマスコミの取材やそれを通してのファンからの声援ばかりでなく、ダイレクトなフォローも面白いかもしれない。マスコミを通した期待だとプレッシャーにしかならないかもしれないが、ダイレクトなメッセージの方がよい場合もあると考えたい。カナダと米国の選手もそうした期待からやっていることかもしれない。


 何やら服装で注意された選手がいて、マスコミ的には大騒動になりかけたが、またそれを過剰反応だの全体主義的だと批判する人もいた。朝青龍問題並の「品格」の話になりそうで、決して褒められたことではないだろうが、双方とも心に余裕がない状況に見える。マスコミがつまらないことを取り上げなければ、多くの人は知る由もなかったことである。マスコミには競技の様子をしかるべき実績を持つ解説者とともに伝えてほしいと思うが、選手を芸能人のように扱うワイドショー的な報道はいらない。勝手にメダルを期待して、獲得できなければ勝手に失望したりしているだけだからである。誘導的なマスコミのインタビューよりは、簡単でも選手の自らのつぶやきがダイレクトに伝わる方が、よほど本来の意味での反響が大きいだろうとは思える。ただ日本の現状では、それに対してもマスコミが大げさに飛びつくだろうから、火に油を注ぐだけになるかもしれない。