経産省がネットの「アイデアボックス」を設置

 これも政権交代効果だろうか。経済産業省が「アイデアボックス」という、いわば電子目安箱のようなものを設置し、広く国民にIT政策のアイデアを募集するという。現在は登録受付期間でのTwitterでのブレインストーミング中であるという。

経産省が国民参加型のネット審議会サイトを開設(CNET Japan)
経済産業省アイデアボックス 事前登録受付
海外におけるオープン・ガバメントの取り組み 

 そういえば「リアル鳩カフェ」と称して、鳩山首相子育て支援の意見を一般人から聞くような企画を行っていた。多分にマスコミを意識したパフォーマンス臭さがあったが、ネットの議論の方が実質的なことができる可能性はある。ただネットならではの無責任さもあるわけで、マスコミに害されたような批判ばかりになっても不毛である。自分はかつてシンクタンクにいたことがあり、旧通産省の役人とよく打ち合わせをしていた時期もある。「1週間でアイデアを持って来い」と言われるのもしばしばだった。それまでの施策やら成果やらの問題点を指摘するのは比較的易しいというか無責任にできるが、周囲を納得させられるだけの新しいアイデアとなると、そう簡単には出てくるものではない。しかしそれで飯を食うとなると話は別である。実現可能性はともかく、何か「インスパイア」されるものを提示しなければならない。今の日本の現状は八方ふさがり的なところがあり、それを打ち破るアイデアがまさに各分野で必要とされているところだろう。これは役人自ら何か出てくることを期待してもだめである。役人は誰かが提示されたものを高所からチェックしたり批評することはできても、新規のアイデアは出てこない。そもそも、そういう役割のポジションではないからである。


 さて、時代を反映したネットでの直接的な国民参加型のアイデアボックスと、果たしてなるかどうか。変にネットに慣れたつもりの人だけが集って、2ちゃんねる的な批判ばかりの話にならないことを願う。あるいはテレビのワイドショーのコメンテーター的な物もだめである。参加の動機はさまざまだろうが、純粋にアイデアを醸成するための機能が果たせればよいが、政治的には「リアル鳩カフェ」と同様に、表面的には期待させておいて、国民の反応を見るだけのリトマス紙のようなものなのかもしれないが。