ウィルコムが経営破綻し再建へ
国内唯一のPHS事業者として残っていたウィルコムがとうとう経営破綻して会社更生法の適用を申請した。通信事業者の経営破綻としては最大規模であり、企業再生支援機構による支援が決まれば最近のJALに続いて2件目となる。一体、PHS事業はどうなるのか。
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WiMAXの2.5GHzの帯域の総務省の認可を、KDDIとウィルコムが獲得した。ソフトバンクとドコモはこのとき落選している。KDDIとウィルコムは2.5GHzの帯域で、それぞれ「WILLCOM CORE XGP」と「UQ:WiMAX」で競っていたはずだった。
2.5GHzの帯域の割り当ては獲得したものの、問題は技術的なことより、携帯キャリアからの価格の猛烈な攻撃を受けて、契約者数の減少が続いたことが経営破綻につながったようである。特にソフトバンクのホワイトプランなどがウィルコムに大きな打撃を与えたという。そして再建に向けてのXGPなどの次世代PHS事業にソフトバンクが出資をするという。2.5GHzの帯域の認可で敗れたソフトバンクが経営的にウィルコムを追い込み、結果的に次世代PHS事業を取り込んでしまいそうである。
困ったのは国の意向を汲む支援機構の方である。国が帯域の割り当てを認可した企業が破綻したのでは、国が支援せざるをえないことになる。しかし支援は公共性という理由から、現在のPHS事業に対する支援しかできない。そこで事業が分割された次世代PHS事業への出資をソフトバンクが申し出ていれば、断れる理由はないことになる。認可では敗れたソフトバンクだが、その後してやられたということになるのだろうか。何やら、かつてMicrosoftがライバル企業を追い落としてきたような雰囲気さえ感じる。
自分もかつてはPHS派だったのだが、ドコモのPHS撤退で強制的な打ち切りの目に遭ったし、PHSは性能の善し悪しに関係なく、限定された場所でだけ使われるような存在になっていきそうである。何か、かつてのポケベルのような運命であるように思える。