ブルースクリーン問題の原因はルートキット

 とうとうWindows Updateにまでマルウェアの魔の手が、と思わせるような「ブルースクリーン問題」が起きていたようである。Windowsを利用している人なら例外なく利用するはずのWindows Updateをインストールした途端にWindowsが起動しなくなるのでは、何のためのセキュリティか、わからなくなる事態となりそうである。

ブルースクリーン問題はマルウェアが原因と特定、MSが駆除ツールを開発中(ITmedia)
ブルースクリーンはマルウェアが原因か,「MS10-015」の配布中止(ITmediaエンタープライズ)
“死のブルー・スクリーン”を引き起こすルートキットをハッカーが..(COMPUTERWORLD.jp)

 この「死のブルースクリーン」になるPCの原因となるのはAlureonルートキット(別名:TDSS)というマルウェアが、Updateブログラムの一部の「MS10-015」に干渉することであるらしい。もともとルートキット作成者も意図したことではなかったようで、その後ルートキットの方も改訂されたようだということである。裏を返せば、「MS10-015」がユーザのPCに潜伏していたルートキットを検出する結果になったということである。ルートキットは潜伏させることが目的だから、存在が知られてしまうのも不都合なようで、Mirosoftだけでなく、ルートキット作成者であるクラッカー側も慌てて「MS10-015」と干渉しないように対応したのではないかと推測されている。


 ルートキットの潜伏が怖いこと、誰もが避けられないWindows Updateに問題が起きて、最悪のWindowsが起動しなくなることなど、最近のセキュリティ問題は、Gumblarウイルスを見るばかりでもなく、クライアントPCにとってはかなりクリティカルな状況といえそうだ。


 しかし「死のブルースクリーン」とは、昔からのWindowsと変わらない。セキュリティパッチなどない時代でも、何らかWindowsをアップグレードした際に、再起動した瞬間にブルースクリーンが出ないかが一番ハラハラしたものだった。初期の頃のWindows NT系で多かったように記憶する。不幸にもブルースクリーンが出たときは、文字通り「ブルー」な気分になったものだ。