iPadは4月に発売開始

 iPadの発表は、単なる電子書籍リーダーとしてだけでなく、ノート型PCとiPhoneなどのスマートフォンの中間に位置する新しいタイプの情報機器として、それなりの衝撃を持って受け留められたのではないだろうか。いつ発売されるかと思っていたら、意外にも早く日本を含めて4月にはお目見えするようだ。

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 タッチパネルとかAppleのブランドのイメージはともかくとして、PCやスマートフォンとは別の潜在的市場が大きいのではないかと考えられる。それは電子書籍を直接のターゲットとしていることで、iPodが音楽の再生と配信で成功したように、本や雑誌や新聞を日常的に閲覧する需要はきわめて大きいからである。年代や職種もあまり関係がない。PCや携帯は多くの機能はそれなりに操作が面倒だが、電子書籍リーダーとしての目的に限ってみれば、ページをめくるような感覚だけで済みそうで、アプリケーションの知識もなくてもよさそうだ。あらゆる層に勧めようとすれば、そうなるべきだろう。もし定着するようになれば、アナログの新聞・雑誌などはもちろん、たとえば電子辞書みたいなものも完全に包含されることになるだろう。特別な情報機器というより、日常の必需品になる可能性すらある。子供の勉強用にも、教科書にもノートにもなっていくかもしれない。一時期話題になった電子黒板のポータブル版みたいなものである。


 そうした大きな市場が見込まれると、多くのメーカーも参入してくる。スマートフォンネットブックの場合と同様である。今のところ電子書籍が読めるという以外のコンセプトは、まだ確立されていないといえるだろう。あくまで電子書籍を「受信」「再生」するための機器として特化していくのか、多機能を持たせてPCに取って代わる方向になっていくのか。従来型のPCはいくらOSだけ新しくなったところで、すでに頭打ちの状態になっているだけに、多くのメーカーが参入してきて生き残りをかけそうである。