Google Apps Script Galleryが公開

 Google Appsでのスクリプトというかマクロのようなものが、ようやく整おうとしている。これまで「Google Appls Script」として利用可能にはなっていたが、一般公開されることになりそうだ。

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GoogleのJavaScript規格準拠テスト、最高点はOpera、最低点はIE
Apps Script Gallery for Google spreadsheets(Google Docs Blog)
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Does Your Browser Behave?(Chronium Blog)

 Google DocsにOfficeファイルを読ませようとすると、ファイルの互換性、書式の再現性、フォントの違いなど、いろいろと問題が生じる。さらに大きな問題としてマクロが使えないということもあった。ExcelなどではワークシートをVBAで記述してあるものは移行しようがなかった。VBAMicrosoftの言語だから、オープンソースソフトやWebサービスの中では使えない。MicrosoftはOffice Web Appsの中でVBAを使えるようにしてくるだろう。実際VBScriptなるスクリプトもあるくらいである。


 非Microsoft Office陣営としては、VBAに似せた独自のスクリプト言語を提供するしかないが、これだとまた他のOfficeサービスと互換でないことになる。少なくとも一般ユーザの立場の現状とすれば対応は2通りしかない。おとなしくMicrosoft OfficeMicrosoftのバージョンアップに合わせて使い続けるか、WebサービスのOfficeを使うときにはマクロは利用しないことである。特別な目的でもない限り、スクリプトの書き換えだけに労力をかけている暇はないからである。一般ユーザにとってはあくまで他人に渡せるだけの文書を作成することが本来の目的なのであって、スクリプトを作成することが目的ではないはずだからである(テンプレートを作成するのが仕事の人は別として)。


 非Microsoft Officeとして最も影響力があると思われるGoogleとしては、そこでVBAに代わりJavaScriptを使うというのが答えであった。Google MapsでのAjax以来、事実上JavaScriptを復活させたGoogleとしては当然の選択であるといえるし、現在のブラウザの開発競争の1つの指標がJavaScriptの高速化にあることからみても、ブラウザとの相性も良い。VBAあるいはVBとの関係からすれば、かつてJavaScriptNetscape社によって「Web上のVisual Basic」というコンセプトで作られ、Javaの接頭辞をとって公開されたという歴史的経緯にも正に一致するものである。もっともこの時点では、まさかWeb上でOfficeが使われるようになることも、VBAと同じ目的でJavaScriptが使われることも想像もされていなかったことだろう。


 Google Appsの中のGoogle Docsは、一気にではなく徐々に進化しているように見える。Google Docs単体では現状ではMicrosoft Officeと比較すべくもない。しかし、GoogleWebサービス全体の中での1機能としてみれば、スクリプトによってそれらのWebサービス間の自動的な連携ができるようになれば、別の世界が拡がることにもなる。もともとGoogle Docsが注目された理由の1つが、ネット上でリアルタイムで共有文書が作成、編集できることがあった。スクリプトによって文書だけでなく、Webサービス全体で複数のユーザ同士が手間ひまかけずにリアルタイムで自動的に連携などということが可能になるだろう。



Google Apps Script