浅田真央優勝、長洲未来は7位

 バンクーバー五輪以来のフィギュア選手権で浅田真央が優勝、SPで首位だった長洲未来は7位に沈んだ。五輪が終わってさすがに盛り上がりには欠けたようだが、今シーズン最後の大会で、今後の期待も見えてきただろうか。

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 大会前は浅田のリベンジ・マッチのようにテレビ局は大会を煽っていたようだが、やはり世界選手権と五輪では各選手とも全く力の入れ具合が違う。まして五輪直後の大会では気の抜けたビールのようなものである。勝敗というより、いかにシーズンの有終の美を飾るかというところである。ライバルはともかく、浅田は本来の実力の順当な終わり方をしたようである。来シーズン以降は、フィギュアでは重要とされるコーチが誰になるのか。ひょっとすれば4回転ジャンプにも挑戦のようなことも言われているだけに、コーチの方針は大きいことになるだろう。


 4回転といえば、安藤美姫はまたしてもメダルには届かなかった。浅田が出てくる前は、この人が日本人選手では最もメダルが期待される人だったはずだが、大一番ではメダルに届かない状態になってしまっている。期待感でも浅田に水を開けられた形だが、今一度トップを目指す意欲が必要だろう。


 今大会で期待を大きくしたのはSPでトップに立った長洲未来である。五輪でも安藤を凌ぐ4位に入ったが、年齢的にも浅田の最大のライバルに浮上する可能性が高いと思われていた。それが今回現実になるかと思われたが、惜しくもフリーで沈んだようだ。しかし現時点で最も期待できる選手であろう。日本代表でないことだけがやや残念だが、わざわざ代表になるために本人の意思で国籍を変える選手もいるくらいだから、長洲には、あまり国籍は関係なく日本人選手として応援している人も多いだろう。テレビや新聞でも、日本人選手として同じように扱ってほしいものである。明るいキャラクターに日本語が少しブロークン気味になるのが、かえって魅力になっているようである。それでも「チャンスをナガス」などとダジャレも言えるのだから、たいしたものである。仮に日本に帰ったとすれば、もの凄く優秀なバイリンガルの帰国子女と見られることは請け合いであろう。いずれにしても、次期五輪まで浅田と金メダル争いをしてほしい。


 浅田と男子の高橋大輔と合わせて世界選手権男女で金メダル獲得とは、かつては想像もできなかったことである。日本はいつのまにかフィギュア大国になっていたようである。高橋の今後は不明だが、4年後は五輪で4回転を成功させた小塚崇彦が最も期待されるだろう。小塚の祖父とは愛知県のスケート連盟の土台を作った人だそうで「子や孫が五輪に出てくれるのが夢」と言っていたそうだが、小塚の父もグルノーブル五輪代表になっており、小塚はスケート大国の愛知県のまさにサラブレッドの家柄に育っている。高橋に続くメダルが期待できるだろう。