radiko.jpは予想をはるかに超える反響

 ネットでラジオのradiko.jpが予想をはるかに超える反響を呼んでいるいるようだ。ラジオ関係者からすれば、生き残りをかけた嬉しい誤算といえるかもしれない。

radiko「予想をはるかに超える結果」公式ガジェット、12日に公開(ITmedia)

 テレビの番組がWebで見られるようになってきたのにも拘わらず、ラジオはなかなかネットに乗ることがなかった。テレビと同じく単方向メディアであり、音声だけのシングルメディアであるから、双方向マルチメディアが当たり前のネットにはもはや過去のメディアになるのではないかと思われていたのかもしれない。


 ところが試してみると、なかなかそうでもない。テレビに比べてもさらにネットには合わないと思われたのは杞憂だったのかもしれない。全くネットとの組み合わせは意外性があるものである。このことを例えてみると、最近のtwitterの普及と相通じるものがあるような気がする。ブログやSNSだ、動画だとか、ユーザの発信環境は随分と豊富になった時代に、もはや文字だけの発信手段は時代遅れではないかと思われていた。掲示板やチャット、電子メールさえ古臭いものになった。にもかかわらず、たった140文字以内の文字だけの発信のネットツールがはやることはなさそうに思われた。ところが蓋のあけてみると、その手軽さと緩いコミュニケーションを「つぶやき」という形でできることが意外と受けた。ネットラジオも、その「ながら」の気楽さと軽いおしゃべりと音楽が、忙しく立ち回っている現代人には、かえって新鮮に感じられたのかもしれない。


 技術的には受信機器もいらない、アンテナを伸ばす必要なく雑音がなく音がクリアであることに気がつく。早く全国に広げて、NHKの語学番組だとか受験情報番組なども広げる余地は多くありそうである。ネットだけのラジオ局(これはすでに存在するが)なども、多くできてきそうだ。ラジオはもうアナログ放送の電波に縛られることなく、通常の放送はネットだけに移行した方がよいと思う。電波は災害時だとか緊急放送にだけ残しておけばよいのではないだろうか。外出時はスマートフォンが携帯ラジオの役割をするようになる。もっともそうなれば、すでに「ラジオ」という言葉そのものが、シンボリックな意味しかなくなるかもしれない。