AppleがiPhone販売好調で過去最高の業績

 Appleが1-3月期で過去最高の売上高、純利益を記録したという。iPhone販売台数の記録更新が主な要因となったようだ。携帯電話市場には後発でありながら、いつのまにかスマートフォンの先端を行く地位を確立してしまっている。Androidスマートフォンなどが追う展開になっているが、当面はアドバンテージを確保しているようだ。その勢いで4月からはiPadの人気も好調のようで、iPadiPhoneのような販売数の伸びが期待されれば、さらにAppleが伸びていきそうである。

Apple、iPhone販売台数記録更新で予想を上回る増収増益(ITmedia)

 1人の人間のおかげだけで、そうは事がうまく進むとは思えないが、それでもやはりスティーブ・ジョブズの影響力の大きさを感じざるをえない。iPodからiPhoneにしろ、iPadにしろ、その姿を見るとき、もう10-15年以上前のApple Newtonが思い出される。Appleが未来型のPDAとして登場させたものだったが、見事に失敗に終わっている。時代が違うと言えばそれまでだが、Newtonの時代はジョブズAppleから追放された後のジョン・スカリーの時代だった。そしてこの頃はAppleも傾きかけた時期だった。そうした情勢から、ジョブズAppleに復帰することもできたわけだが、それまでのジョブズが作ったワークステーション企業のNeXT ComputerをAppleが買収するという形になった。NeXT自体もジリ貧で残っているものはOSのNEXTSTEPだけだった。


 しかし今となってみれば、iPhoneにしろiPadにしろ、そのOSはMacOS Xであり、そのベースそのものはNEXTSTEPである。そしてNewtonで挫折した携帯機器に形を変えて参入に成功し、大きな利益を与えることになったわけである。iPhoneにしろ唐突に出現したわけではない。かつてのNewtonとNEXTSTEPの失敗がそれで終わらずに、今になって開花していると言えるのかもしれない。そしてそれには、やはりジョブズの力が偉大だったからといわざるをえないだろう。


 同世代ではビル・ゲイツが引退し、Microsoftの今後はゲイツの影響が少なくなるだろうし、すでに引退しているビル・ジョイが創設メンバーだったSunは買収されてなくなってしまって、現役でいるのはジョブズくらいといってもいいだろう。大病を患ったこともあり、あとどれだけ一線で活躍するかはわからないが、iPadやさらに続く製品群で、まだまだ世の中に影響を与えそうだ。「これから先、このジャンルはどうなる」という問題提起もする製品が多いだけに注目度は大きい。