Google Appsで全Googleサービスが利用可能に

 Google AppsのGoolgeサービスの利用が拡大される。といっても、Google Appsユーザなのだから当然だろうという気もするが、これまではそうではなかった。フリーのGoolgeユーザの方がGoogleサービス全体の利用の自由度が高かったのである。今後はGoogle Appsユーザにも、ほぼすべてのGoogleサービスが利用可能となりそうだ。これがある意味でGoolgeクラウドの基本形になるといえるだろう。

Google、「Google Apps」の利用可能サービスを大幅拡大へ(ITmedia)
「Google Apps」で全Googleサービスを利用可能に、秋ごろを予定 (INTERNET Watch)

 とりあえずはメールサーバーの自己運用をやめてGmailに移行する際に、独自ドメイン名で運用するためにGoogle Appsに加入するというケースが多かっただろう。しかしそのGmailのメールアドレスを共通のIDとしてログインして利用できるGoolgeサービスはそれほど多くはなかった。自分もGoogle Appsの初期の頃、ブログであるBloggerとかSNSOrkut、そしてYouTubeのログインを試してみてだめだったので残念だった記憶がある。同じGoogleのサービスなのにどうして横断的に利用できないのだろうかと、Goolgeはあくまでフリーのユーザが広告などのターゲットで、ビジネスユーザには力を入れないのだろうかと思ったりもした。


 そしてここにきてクラウド化の進行や、AppsのようなWebサービスとしての対抗馬としてのWindows Liveの追い上げなどが影響しているのかもしれない。たとえばGoogle Docs単体では、今のところOffice Web Appsが出現すれば、Microsoft Office文書との互換性の上ではどうしても劣ることになるだろう。とすればGoolgeサービス全体との連携でWindows Liveを凌駕していくことが必要になるだろう。特にあえて挙げればYouTubeの連動は特に重要だろう。Bloggerもブログ単体では他のブログサービスにはシェアでは追いつかないが、Google Appsの中のブログということであれば、例えば主に社内だけを対象としたブログなどという利用の仕方も出てくることになるだろう。Google Buzzのように慌ててtwitterに対抗しているようなサービスを作るよりも、既存のサービスをより改良してGoogle Appsの中での連携を強める方が現実的ではないだろうか。先日、Google Docsへのアッップロードにファイル種類の制限が取り払われたことによってMicrosoftのストレージサービスであるSkyDriveへの対抗になりそうであるし(Google Appsでも有効)、この秋以降はGoogle AppsとWindowws Liveのクラウドを背景とした競争が本格化してきそうである。