Androidが売り上げでiPhoneを超える

　日本ではまだ始まったばかりではあるが、米国ではすでにAndroidが売り上げでiPhoneを超えたという調査結果が報告された。いずれそうなるかもとは思われたが、きわめて進展は速そうだ。

Android、第1四半期の米スマートフォン市場でiPhone超え―米NPD調査(ITmedia)
「AndroidがiPhoneの売り上げ超えた」調査報告にAppleが異議

　PCのMacintoshとWindowsの関係に似て、ハードもソフトもApple１社で提供するiPhoneに対して、ハードを持たずにオープンソースのAndroidのみを提供して、いろいろなメーカーがAndroidスマートフォンを出荷できるようになっているのでは、いずれAndroidの方が多数派になりそうなことは予想されることである。iPhoneがAndroidよりも劣るというのではなく、製品の供給力の差である。どうしてもiPhoneが欲しいというマニアックなユーザに対して、そこそこ現在のスマートフォンが使えればよいという多数のユーザの方が多いはずだからである。Windowsの場合も、Windowsマニアだから買っているわけではなく、多数派が使っているから使っているだけのことである。

　MacとWindowsの関係に似ているとはいえ、ここにはMicrosoftは入ってこない。Windows Phoneというものがあるにはあるが、今の情勢だと主流になってくるとは言い難い。また売り上げという観点からは、Apple vs Googleとも言い難い。GoogleはAndroidを提供しているものの、直接スマートフォンで売り上げを伸ばそうというわけではないからである。もっともHTC製の「Nexus One」を出すことは出しているが、それ自体でGoogleの売り上げを伸ばそうとしているわけではないだろう。Googleとしては、１つの標準モデルを示しただけであって、それをベースに各種メーカーが続々といろいろなAndroidスマートフォンを出荷して、人気を博してくれればよいということだろう。

　Appleは、今回の逆転は米国内だけの話であって全世界ではiPhoneが上だと主張するが、それも時間の問題でiPhone互換機を他のメーカーから出すことでも認めない限り、この関係は変わらないだろう。しかしMacが時代を超えて根強いユーザを持っていると同様に、iPhoneは一定のシェアを保ち続けるかもしれない。そして早くも、次のiPadと他のタブレットPCとの関係へと繋がっていきそうな展開である。シェアが食われることになるのは、ノートPCかネットブックだろうか。