GoogleがVerizonとAndroidタブレット開発

 GoogleiPadに対抗するタブレットを開発していると噂されていたが、どうやらその動きも具体的であるようだ。Verizonと共同で開発中であるという。それはAndroidを搭載したタブレットであるということだ。

Google、Verizonと共同でAndroidタブレットを開発中(ITmedia)
「Googleがタブレット開発」のうわさ、その意味は?(4.20)
Chrome OSはいずれタブレットにも? GoogleがUIコンセプトを披露(2.20)

 iPhoneに対抗するAndroidスマートフォンのように、iPadに対抗するべくGooglePadのようなものの登場は、当然予想されたものである。もしiPadが言われるように電子書籍市場をはじめ、潜在的な巨大な市場を開拓するものであるとすれば、対抗するというよりは出さざるをえない状況になるといえるだろう。携帯電話が誰でも所有するものとなったように、タブレットもそうなるとしたら1社で独占できるようなデバイスではありえない。いずれMicrosoftにしても何らかの動きを見せなければならなくなるだろう。


 Googleの場合、状況がやや複雑である。タブレットのOSもスマートフォンと同じAndroidになるのか、あるいはネットブック用とされるこれから登場するChrome OSになるのかということであった。実際、Google自身もChrome OSによるタブレットのUIのコンセプトを公表したりもしていた。しかし情勢の変化は速い。iPadはすでに販売開始され売り上げ好調であるのに、Googleタブレットは肝心のChrome OSすら未だに世の中に出ていないものである。ネットブック用を想定していただけに、もしタブレット向けにするのであれば、多くの修正も必要となるだろう。既に実績のあるOSであれば、それも何とかなるかもしれないが、まだ実績は何もないものである。


 そこに、提携してデバイスを開発したいメーカーが現れれば、それは実績のあるAndroidを採用する方が現実的だということになる。Verosonと提携して開発しているタブレットもそういうことになった可能性がある。では、もう少し先にはChrome OSのタブレットも登場することになるのかは、微妙なところだといえよう。それはAndroidタブレットが世に出てからの評価次第かもしれない。もし評価が高くなれば、わざわざChrome OS搭載のタブレットは出す必要がなくなるし、もし出したとしたら混乱を招くだけになるだろう。AndroidChrome OSが争ってもしかたがないからである。


 それに加えて、今夏ごろとされるChrome OS搭載のネットブックの出現である。こちらはWindows 7搭載のネットブックへの対抗が本来の目的だが、タブレットPCネットブックやノートPC市場も食う可能性がある。そうなるとAndroidタブレットChrome OSネットブックもライバルになってしまう可能性がある。こういう状況が起こりうる元の原因は、AndroidChrome OSの位置づけがはっきりしていなかったからであろう。将来的にはAndroidChrome OSに統合されるのではないかという予想もあったが、スマートフォンタブレットの進歩の速さを考えれば、Chrome OSはその流れに追いつかず、下手をすればたとえ技術的に優れていても将来的には消え去ることになり、むしろ生き残るのはAndroidだけという結果になるかもしれない。そういえばAndroid搭載のネットブックを発売したメーカーもあったが、結果的にはそちらの方が方向性としては正しかった、ということになりかねない。