メッツ高橋尚成が初先発好投

 松井がニューヨークから去った後、メッツに元巨人の高橋尚成が入団して、ついに初先発で好投した。なかなか契約球団がなくて、マイナー契約からメジャーに這い上がっての先発枠獲得だけに価値がある。

高橋、6回無失点!メジャー初先発で好投(SANSPO.COM)
高橋、ローテ入り決めた!持ち味存分に発揮
メッツ高橋メジャー初先発 ヤ軍相手に6回5安打無失点(zakzak)
Takahashi's gutsy start can't save Mets(MLB.com)

 日本からメジャーに渡っても、メジャーの野球に合う投手とそうでない投手に分かれるようだ。よく言われる日米でのボールの違い、あるいは環境の違いになじむかどうかもあるのだろう。野茂以来、多くの投手がメジャーに挑戦しているが、必ずしも日本での成績だけにも関係はしないようだ。どちらかといえば150キロ級の剛球派は日本では通用しても、強打者の多いメジャーでは必ずしも通用しない。あまり速球はないが技巧派の方が条件がうまく合えば、意外と通用するケースもある。典型的なのは斎藤隆で、日本ではあまり通用しなくなり引退寸前まで追い込まれていたように見えたが、メジャーに渡ったらボールがうまく変化するようになったせいか、完全に復活している。


 巨人からは2年前に上原がオリオールズに先に渡り、今年から高橋がメッツに渡った。巨人時代にはローテーション投手とはいえ、上原ほどの成績は挙げておらず、基本的に打たせて取る軟投型の投手に見られていたので、メジャーに通用するかどうかもあまり期待されているとはいえなかっただろう。ところが上原は故障続きのスペランカーのような状態で、いまだにメジャーでパッとした活躍はできていない。高橋の方が、さすがのベテランの味を出しながら、ピンチでも動じることなく、ここまで安定した投球内容を見せてきている。


 ニューヨークでもマイナー契約だっただけに、あまり期待はされていなかったのだろう。当初は「松井の元チームメートで友人で、オフには一緒に食事に行くこともあるらしい」という紹介をされていた程度だった。ところが巨人出身だけにメディアの扱いにも慣れたもので、地元メディアの松井のことの質問に「松井って誰ですか?」とジョークで笑わせたりもしたらしい。


 初先発の相手は交流戦で昨季ワールドチャンピオンのヤンキースが相手である。6回5安打無失点の先発としては堂々の投球内容である。ジーターから2三振を奪うなど、ベテランの投球術はダテではないことを示したようだ。問題はこれからどこまで通用させることができるかだろう。今までは高橋にはおそらくどの球団もノーマークだったはずで、先発に定着するようだと他球団にも次第にマークされてくることになる。そこでシーズンを通してどれだけ通用させることができるかである。


 メッツといえば、9年前に新庄が旋風を起こしたことがあるくらいで、日本人選手は多く出入りはしてきたものの、あまり活躍できたというイメージがない。ニューヨークでもそう思われていることだろう。高橋がメッツでステータスを築くことができるかどうか。