iPadが国内でもついに発売

米国で売れ過ぎたせいか、当初の予定から1ヶ月遅れで、ようやく国内でもiPadが発売された。iPadの製品としての内容もさることながら、マスコミでも大きく採り上げられていたことが目に付いた。

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 今の時代に新製品の発売日での購入のために、わざわざショップ前に並ぶ必要があるのだろうかという疑問も感じないことはない。予約ができなくて当日売りに仕方なく並ぶというわけでもなく、あるいはお祭りに参加したような心境なのだろうか。ライブで有名人を見きたいというわけでもない。裏では、Appleがかなり販売店を厳しく絞り込んでいるという話もある。販売ショップが少なければ、限られたショップに多くの人が殺到することになり、またそれがマスコミの注目を引きつけることになる。要するに、うまく乗せられて、宣伝に利用されているのではないかということである。


 それはともかく、単なるPCの1機種、携帯電話の1機種の発売の時とはやや違って、その社会への今後の影響がいろいろと採り上げられているようだ。電子書籍との関係で出版業界へ与える影響のみならず、我々のライフスタイルさえ変えていく可能性があるような論調である。意外なところではテレビ業界にまで危機感を与えているようだ。


 少し醒めた目でみれば、騒いでいるのは今だけだろう。まるで、今すぐにでもiPadがなければ仕事にならない、というような人の例までマスコミで紹介されていたが、それは極端すぎる話だろう。iPhone発売時と同様で、最初はマニアックな人や新しもの好きの人があまり仕事とは関係なく手に入れるが、次第に不満も出てくる。まだコンテンツ、特に日本向けのコンテンツが不足しているからとなるだろう。またPCと違って、iPadならではの機能制限もありそうだ。一段落付いた頃には他メーカーの対抗品も登場してくる。またビジネス分野での活用方法もいろいろと出現してくるだろう。そして世界での動向が再び日本にも影響してくる。


 そして第2段階として、どれだけ一般のユーザも入手して利用するようになるかが、ここ1年後くらいの情勢になるかもしれない。コンセプトは異なる製品ではあるものの、ネットブック市場にもどう影響してくるかである。前にも書いたが、ネットブック用OSとされるChrome OSが取り残される結果となり、Apple対抗のためにはAndroidの方がモバイル機器では重要になる可能性もある。