「はやぶさ」が7年ぶりに地球に帰還

 先日、野口聡一さんが国際宇宙ステーション「きぼう」から5ヶ月半ぶりに地球に帰還したが、今度は無人の「はやぶさ」が帰還したという。ほとんど知らなかった話だが、帰還するまでには相当な紆余曲折があったという。

お帰りなさい、はやぶさ!(ITmedia)
「はやぶさ」が光輝き、散っていく NASAが空撮映像を公開

 帰還といっても、「はやぶさ」本体は大気圏突入の際に燃え尽きてしまい、調査結果を載せたカプセルだけが地上に戻ってくるわけだから、「お帰りなさい」と言うには何となく複雑な感はある。「はやぶさ」は役割を終え、燃え尽きて宇宙の星になったとでも言うべきだろうか。無人ロケットならではコストのかからない方法といえるのだろう。


 そもそも7年前に打ち上げられたものだが、通信衛星でもそうだが「打ち上げ成功」だけで見ている方は拍手喝采「よかった、よかった」で、後は大概忘れ去られてしまう。「はやぶさ」の場合は、太陽系の小惑星イトカワ」(日本のロケット開発の父・糸川英夫の名前を付けられた)の調査のためだったが、そもそも「イトカワ」のことを知らないからなおさらである。そして予定よりも3年も遅い帰還だったという。普通であれば宇宙の果てに消え去っている運命だったはずだ。


 持ち帰ったはずの「イトカワ」の砂の分析は今後に期待だが、成分を分析すると太陽系形成の歴史がわかるのかもしれない。ところで「イトカワ」は地球の軌道に近いこともあり、遠い将来的には地球に衝突する危険もある小惑星なのだという。その意味では、地球にとっては「はやぶさ」よりも燃え尽きてほしい存在かもしれない。



NASA Team Captures Hayabusa Spacecraft Reentry