電子書籍を「利用したい」人は6割超

 iPadの登場によって、何やら電子書籍の普及が現実的になりそうな風潮ではある。そんな中、楽天ブックス楽天リサーチが電子書籍に対する意識調査を行っている。

電子書籍「利用したい」が6割超 専用端末は「5000円以下」望む声(ITmedia)

 電子書籍の経験のあるなしを含めて、6割以上は電子書籍に期待しているとの回答であったようだ。当然といえば当然の反応だろう。やっぱり紙の書籍がよいというのは、ワープロよりは手書きの方がよいと言っているようなもので、趣だけの問題であるような気がする。必要な本ほど電子書籍で、趣味のものは紙の本でほしいというところだろう。新聞や雑誌のような「読み捨て」なら、なおさら電子書籍の方が都合がよい。


 読者にとって切実なのは「1冊あたりの単価が下がり、購入コストを抑えられる」ことだろう。買いたい本はあるが予算がない、というのは現実的である。自分の関連するジャンルの本は半ば商売道具の意味合いもあってなんとか買うが、ちょっと専門外や趣味的な本になると、どうしても優先順位が落ちるので価格によっては買い控えすることはままある。もし電子書籍になって半額にでもなれば、ためらわずに買う気になるかもしれない。


 電子書籍が優勢になったとすれば、いろいろな面で本に対する感覚は変わってくるだろう。古本という概念も事実上なくなるだろう。新刊ではなく、電子書籍価格が安くなったものを古本ということになるだろうか。それにしても、日本では再販制度がネックになりそうだ。いつでもそうだが、社会に普及するには技術的問題よりも法的な問題がクリアされなければ、本当の発展は望めない。