Amazonクラウドサービスの日本語サイト開設

 アジア太平洋地域にクラウドサービスAWS(Amazon Web Services)を拡大しているAmazonが、日本語版サイトを開設している。これまでも英語版のままでもAmazonクラウドを利用するのに特に問題はなかったが、日本語で説明を読めることで今後クラウド導入を検討する立場の人間にとっては、よりクラウドが身近に感じることになるだろう。

Amazon、クラウドサービスAWSの日本語サイトを開設(ITmedia)
Amazon Web Services(日本語版)
Amazonクラウドの国内データセンターは9月稼働、...との報道 (Publickey)
Amazonクラウドが国内で求人を本格化。東京データセンターの開設準備か (Publickey)

 これが単に日本からのユーザの取り込みを狙っただけのことなのか、噂されるAmazonデータセンターの国内設置への布石なのかということである。アジアではすでにシンガポールにデータセンターが設置されており、アジアにもう1拠点設置するとしている。それが日本になるのかどうか、Amazonからの正式発表はない。一部の報道では日本に置かれる場合、東京都内の4〜5箇所に分散され、既存のデータセンターに間借りする形で進められるとのことである。すでにエンジニアの募集が始まっており(クラウドの技術者かどうかは定かではないが)、9月から稼働との話であるからもう来月に迫っていることになる。


 確かに既存のデータセンターを巻き込む形であれば、Amazonクラウドインフラの東京進出はそれほど難しいことではないだろう。回線を確保してサーバーラックを設置するだけだからである。当初は国内進出というから、Amazonの物流センターのように広大な用地を確保しての進出かと想像していた。そこは物を販売するサービスとクラウドサービスとの大きな違いである。クラウドには集配する荷物はいらないわけである。またサーバーの設置場所は、当然ながら分散している方が安全ではある。クラウドの普及によって既存のデータセンターの存続が危ぶまれる話もあるが、クラウドベンダーの傘下に入るのも1つの生き残りの方法になるかもしれない。


 ネットだからサーバーは世界中どこにあっても原理的にはよいとはいえ、クラウドのようにデータ転送量が膨大になってくると、いわゆるレイテンシー(遅延時間)が問題になるだけに、やはり国内のように物理的には近い場所にあった方がよい。東京データセンターが現実化するならば、Amazonクラウドは本当に身近なものになるだろう。