Windows LiveのブログがWordPressに移行

 Microsftのブログサービス、Windows Live SpacesがWordPressに移行する。というより、 Spacesは閉鎖され、外部サービスであるWordPressに内容の移行も含めて誘導するということである。

Microsoft、Windows Liveのブログを閉鎖へ―WordPressに移行(ITmedia)

 「Microsoftがブログから撤退」とも解釈されるが、今後WordPressとの提携を深めるということだろうか。先日、ブログの元祖SixApartが買収されたが、Movable Typeが事実上WordPressに抜かれてきたことが遠因になっているともいえるかもしれない。「餅は餅屋」ではないが、ブログサービスのエキスパートがWordPressだとすれば、Microsoftも今さらブログサービスの技術や人気で争ってもしかたがないと判断したのだろうか。


 Windows Liveが新しくなってSkyDriveが提供されたときに、live.jpのアカウントを改めて登録したのだが、そのときに1度だけ試しにSpacesに書いてみただけだった。今ならTwitterに書ける程度の内容である。なんとなくシンプルすぎて、あまりブログという感じがしなかった。その後は存在すら忘れていた。Webサービスを名乗る以上、デフォルトで入れておくサービスという感覚だろうか。


 MicrosoftにしろGoogleにしろ、ブログやSNSでは成功していないというか、あまり力を入れてこなかったというのが実情だろう。大手ではYahoo!ブログが一般ユーザ向けに成功している程度だろうか。Google Bloggerも元は買収したものだし、玄人好みのものに見える。SNSではFacebookがダントツになっているし、ブログともSNSとも言いにくいTwitterが大はやりである。ブログも数あるWebサービスの中の1つくらいの位置づけになっている。そうであれば、Webサービス全体をすべてオリジナルで提供するよりも、提携して組み合わせた方が労力を削減できるし、ユーザにとってもよいことになると判断したのだろう。それがMicrosoftの判断だから、やや意外なのである。デスクトップソフトウェアの時代ならば、遮二無二ライバルを潰して、独占をはかってきたからである。ネット時代はなかなかそうはいかないし、クラウドに資源を集中するときに、ブログサービスなどで競っている場合ではないというところか。


 Windows Liveはそこにログインすれば、何でも揃っているはずのサービスだが、やはり拡充していくためには、大きな提携が必要になるのは必然であるだろう。WordPressは自分でもサーバー導入からやって一部に提供しているだけに、Microsoftの選択はある程度歓迎したい。「Windows Liveでも使われているサービス」というステータスが付くからである。