OpenOffice.orgが独立「The Document Foundation」へ

 SunがOracleに買収されてから、Javaの権利をめぐってOracleがGoogleに対して訴訟を起こしたり、OpenSolaris理事会が解散するなど、Sunの資産をめぐっていろいろな問題が起きている。そして今度はOpenOffice.orgが独立することになるという。

OpenOfficeの開発者ら、オラクルから独立した新団体を設立(CNET Japan)
今度はOpenOffice.orgがフォークへ! ....(マイコミジャーナル)
OracleからOpenOffice.orgが独立し、「The Document Foundation」..(ITmedia)
Welcome to The Document Foundation!(Document Foundation)

 OpenOffice.orgはもともとSunが提供するOfficeソフトウェアの「StarOffice」のオープンソース版である。現実にMicrosoft Officeの代替ソフトウェアとして導入している企業、自治体も出現している。その動向の影響は開発者やその団体に留まらないだろう。そして今回、Oracleに異動していた開発者らが独立して、コミュニティ「The Document Foundation」を立ち上げたという。さっそく「LibreOffice」という名で、Officeスウィートを公開している。


 「OpenOffice.org」の商標権をめぐってはしばらく一悶着がありそうだが、あまり本質的問題ではないだろう。Oracleを離れた同コミュニティがどれだけの支援を受けられるかである。これまでFSFGoogleRed HatNovellなどが賛同しているという。MicrosoftOracleの対向するグループからは支援を受けられる可能性はある。IBMにしても「Lotus Symphony」はOpenOffice.orgがベースだったはずである。


 長い目で見れば、Officeソフトウェアそのものの先行きの問題である。OpenOffice.orgはデスクトップソフトウェアであるだけに、Microsoft Officeと同じく、将来的にはWebアプリにとって代わられる可能性が高い。実際にすでにGoogle DocsZoho、Office Web Appsなどが公開されている。ビジネスでの実用レベルにはまだまだだろうが、クラウド時代にはすべてWebに移行する可能性は高い。そうなるとOpenOffice.orgもデスクトップ版のままでは、時代に取り残されることになるだろう。新体制になったところで、Web版を開発する必要性があるのではないだろうか。


 しかしこうなってくると、OracleはそもそもSunの何を買収したかったのかという気がする。ワークステーションのハードウェアではないだろうから、SolarisJavaか、やはり本業とぶつかるMySQLか、あるいはSunの技術者陣だったのだろうか。そして一番独立してほしいと願うのはMySQLである。飼い殺しにされる可能性が一番高いからである。