サッカー日本代表がアルゼンチンに歴史的勝利

 いかに親善試合とはいえ、これは歴史的勝利といえるだろう。かつてアトランタ五輪で「マイアミの奇跡」と言われたブラジルに対する勝利に匹敵するものではないだろうか。ただ当時ほど、相手との実力差があるとは思われなくなってきていることは確かである。

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 サッカーの強豪アルゼンチンとはこれまで6戦6敗。五輪での勝利といえば、1964年の東京五輪川淵三郎の活躍などで勝利して以来のことだという。勝てなくて当たり前の胸を借りる相手あり、ファンからすれば最高選手のメッシの姿さえ見れれば満足というところだっただろう。


 個人的に残念だったのは、アルゼンチン監督がマラドーナのままでいてほしかったことである。Jリーグ発足前のマラドーナの現役晩年の頃、日本でプレーしたいという発言をしていたので当時から注目していたからだった。結果としてJリーグに実際に来たのはジーコだった。そのジーコがその後日本代表監督になったのだから、ちょっと運命が変わっていればマラドーナが日本代表監督になるようなこともあったかもしれない。


 代表監督にイタリアのザッケローニ氏(以下ザック監督)が就任して、いわば監督デビュー戦で最高の結果を出したことになる。ザック監督は就任時から選手、サポーターからは比較的好印象のようである。その実直そうな風貌や「ヨロシクオネガイシマス」など、日本文化に馴染もうとする姿勢ももちろんだが、代表監督経験は初めてではあるものの、世界トップリーグの1つとされるセリエAの監督経験が長いことが十分に評価に値するからであろう。当地では最近はあまりチームの成績を上げられなかったことから「過去の監督」と揶揄もされていたが、こればかりは監督とチームの相性もあることだろう。


 監督と選手がある意味で、互いに尊敬しあえるチームは機能していくことになるのではないだろうか。少なくとも現時点では選手はザック監督を尊敬しているし、ザック監督は日本という国とJリーグの人材にも敬意を表しているようである。それが短期間でも、アルゼンチン相手に向かうことに良く働いたようである。次の韓国相手とか、アジア独特の事情などまだこれからだが、ザック監督にはイタリアではできなかったことを日本では選手とともに、大胆にチャレンジしてほしい。