MicrosoftがBingでFacebookと提携

 もともとFacebookGoogleよりはMicrosoft寄りだったはずである。現に2007年当時にMicrosoftはネット界の「アイドル」だったFacebookに出資している。3年の間にネットの情勢も大きく変わり、今回はMicrosft側がFacebook側にすり寄ってきているようである。

Microsoft、Facebookと提携―Bingの検索結果に..(ITmeda)
Microsoft、Facebookと協力し「検索+ソーシャル」でGoogle追撃
Microsoft,SNSのFacebookに2億4000万ドル出資(ITpro 2007.10.27)

 MicrosoftのBing検索結果にをFacebookを反映させようというものである。Facebookの友達の評価がBing検索結果に表れるというものであり、レストランとかショップを検索する場合、友達の評価を参考にできる仕組みである。FacebookにログインしたままBing検索をすることで可能になる。


 Microsoftの意図は明白で、GoogleをWebトラフィックで抜いたとされるFacebookと連携することで、検索シェアでGoogle検索に迫ろうとするものである。Facebookに便乗するものといってもいいだろう。米国では2人に1人はFacebookを利用しているとされるから、PCを利用している間はほとんどFacebookにログインしたままということも多いだろう。そこでGoogleではなくBingを使ってくれれば、もっと便利になりますよ、というわけだろう。


 Microsoftはもはや古い部類のIT企業に入るだけに、ネット関連のあらゆるジャンルでも正面から対抗しようとする。BingしかりWindows Liveしかりクラウドしかり、モバイルしかりである。しかしSNSに関しては、あまり注力していないように見える。Windows Live全体がSNSと見られなくもないが、やはり単なるWebサービスに見える。Facebookは実際の人間関係のネットワークが構成されているため、これだけ人気を博しているのだろう。Microsoftにはないジャンルであるので、提携もしやすい。先ごろWindows Live SpaceがWordPressに移行したが、Microsftもそろそろ「餅は餅屋」にまかせて、むしろそれと提携して乗っかる方が合理的だと判断するようになってきたのだろう。かつてのように後発ながら先行する企業を強引に潰してきた面影は薄れつつある。餅屋といえば、Googleが検索では餅屋なのだが、あらゆるネット分野を支配しようとするGoogleには、Microsftとしてもなんとか対抗したいようだ。


 残念ながら、それほどFacebookが浸透していない日本では、まだあまりご利益のある機能とは言えなそうだが、数年後にはまたどうなっているかはわからない。Facebookを利用する折には、試してみてもよい機能だろう。