ソニーのカセットウォークマンが販売終了

 まだ売っていたのかという驚きの方が大きい、ソニーの「カセット」ウォークマンが販売終了になるという。1979年に登場というから、30年の歴史だったことになる。

カセットウォークマン販売終了 30年の歴史に幕(ITmedia)
さらばカセットウォークマン ソニー、今春に生産終了(asahi.com)

 1979年といえば、まだPCもまともに出ていない時代である。テープレコーダやカセットデッキはあったが家庭用ビデオ録画もなかった。ソニーはその後ベータのビデオを出したが、結局VHSにとって代わられた。その後のビデオ機器の変遷は知っての通りである。


 音楽プレーヤーはiPodが出現してから大きく変わった。これもネットの進歩の影響である。そして今やiPhoneで携帯と合体した。ソニーが音質を追及してきたプレーヤーとはコンセプトが変わってきている。国内ではソニーのプレイヤーはiPodキラーと呼ばれてはいるが、世界的には「ガラパゴス」状態かもしれない。


 自分も学生時代、電車の中でウォークマンを聞いていた経験がある。今のコンパクトなプレイヤーで聞いている人を見ると、時代の差を感じる。音楽そのものはそれほど大きく変わったとは思えないが、再生のための環境は大きく変わった。音楽もネットに流れる情報の一部になった、という認識の変化が一番大きいかもしれない。昔はジャケットに入っているモノだったのが、今ではただのファイルになったからである。モノとしてのカセットテープも、かつては録音に使われていたが、現在ではICレコーダで高音質で録音できて、とっくにカセットテープの時代ではなくなっている。録音の元だったラジオも、今ではradiko.jpでネット配信するようになっている。カセットウォークマンの終了が、テープ時代の終わりとネット時代の進展を象徴しているような気がする。