Google Chromeは順調な伸び

 Google Choromeが着実にアップデートと、シェア拡大を続けている。PDF統合のVer.8β版もリリースもまもなく正式版になるだろう。セキュリティ的にはFlashの扱いだが、Adobeに先行して手を打っているようだ。

Google Chrome安定版の脆弱性解決、PDF統合のβ版も..(ITmedia)
勢力伸ばすGoogle Chrome、IEとFirefoxからシェア奪う(11.2)
IEの「絶対優位」はもう終わり?(10.8)

 インタフェースはシンプルだが、Google Chromeの使い勝手は悪くない。自分もFirefoxの利用が主ではあったが、次第にGoogle Chromeを使う時間が増えてきている。どちらかといえばGoogleWebサービスを利用するにはGoogle Chromeを、Windows LiveにログインするときはIEという使い分けをしている。Firefoxは一般の閲覧といった具合だ。


 直近のシェアでは、IE 59.26%、Firefox 22.82%、Chrome 8.47%となっており、IEとFierfoxが微減して、Chromeだけが伸びている結果になっている。1年前のシェアが6%程度だったから、この伸びは大きいといえるかどうか。他のブラウザに比べれば大きいが、Googleが期待している伸びからすれば遅いかもしれない。そもそもGoogleが自らブラウザを開発したのは、スポンサーになっているFirefoxが遅々としてIEのシェアに迫れないことから、しびれを切らして自ら参入したとも言われていた。


 なかなか大幅なシェアの獲得には至らないが、もう少しで10%のシェアに届きそうだ。対してIEは対抗してIE7,8,9とここ数年立て続けにバージョンアップを図ってきたが、ジリジリと60%のシェアを割り込んだ。以前からIEのシェアが50%を切り、他のブラウザの合計と逆転すればWebの世界も面白いことになりそうだと思っていた。ところが現在は単なるシェアの数字より、Webサービスに特化した最適なブラウザの選択ということになるのではないかという気がしている。IEであればWindows Live、あるいはBing関連の利用である。BingがらみでYahoo!もありうるかもしれない。Googleは前述の通りGoogle AppsYouTube視聴などが中心である。Firefoxニュートラルなブラウザということになるだろう。


 そう考えたとき、その背景は当然クラウドの利用を意識したものである。そしてGoogleにとってはChrome OSの成否がブラウザのChromeにとってもカギとなるだろう。ネットはWebサービスの利用が主であるならば、デスクトップアプリの利用が中心のWindowsは必要性が薄れる。そこではOS部分は隠れて、見かけ上はブラウザと一体化したのがChrome OSとなるのだろう。話はそう単純ではないだろうが、クラウド時代のOSとブラウザとは何かを考えさせるきっかけとなるかもしれない。