Evernoteのユーザが500万人突破

 フリーでWebからメモ書きができる「Evernote」が大きな人気のようだ。最近利用者が500万人を突破、毎日のように登録者が増えているという。ご多分にもれずに自分も登録している。

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 ブログもそうだが、twitterFacebookなどWebを通じて文章を書き込む機会が増えたといえる。もはやネットはただページを眺めるだけのものでなく、書いたりコミュニケーションを取ったり話したりすることが当たり前のことになった。スピードも重要だが、情報を出し続けていくには、ネタを醸造したりアイデアを考えたりすることも必要だ。従来は紙にメモしたり、デスクットプのファイルに書き込んだりしていたものだ。


 自分はテキストエディタでベタなファイルにアイデアや覚書きを書いておくことが多かった。ファイルの整理が悪いので散乱したり、バージョン管理が行き届いていなかったりする。いずれにしても必要なときにすぐ書くことが重要である。頭の中で覚えようとしても、優先順位の高い仕事が入ると、思いついたことを忘れてしまっている。覚え書きのためだけにワープロを起動したり、日付が入るからといってブログに書くというのも、何か「重い」作業に感じてしまうのである。


 Evernoteはブラウザに組み込まれる形だから、Webページを見ている時に必要な部分をメモしておいたり、アイデアが浮かんだらすぐに書いておくことができる。それらを後からまとめてちゃんとした文章にすることもできる。


 Evernote以前では、Officeに関連してOneNoteがあり、Google Notebookがあった。OneNoteはデスクトップのものであり、Officeで文書を作るためのものという意味合いが強い。Google Notebookは例のごとくサービス中止になってしまった。本当はGoogleがやろうとしたことを、Evernoteが成功させたともいえる。Google ChromeEvernoteプラグインで組み込めることは象徴的である。Twitterに対するGoogle Buzzといい、Facebookに対してのGoogle Meといい、そしてEvernoteに対するNotebookといい、Googleは同種のWebサービスをことごとく「ハズして」いるように見える。


 Evernoteの人気は一時的な面白さではなく、仕事に使えるこうしたツールをユーザは望んていたからだと思える。メモは手元にあると思いきや、Evernoteではメモですらクラウド化しているように思える。メモはネット上に置いてあるから、どこに行ってもブラウザさえあれば引き出すことができるという寸法である。そろそろデスクトップに「メモ帳」ファイルを残すというのはやめるべきかもしれない。